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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第20章

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決意②

深夜の廊下。

自販機の明かりだけが、

ぼんやりと床を照らしていた。


俊介が戻ってくる気配がして、

葵は顔を上げた。


「葵、これ……あったかいの買ってきた」


差し出された紙コップ。

その温度が、

じんわりと指先に染みていく。


「ありがとう……俊介」


そう言うと、

俊介は少しだけ安心したように笑った。


「無理すんなよ。

俺は……ずっとそばにいるから」


その言葉に、

葵の胸がきゅっと締めつけられた。


(私は……この人と生きていくって決めたんだ)


決意は確かにある。

嘘じゃない。


でも——

心の奥の、

触れたくない場所が

まだ静かに疼いていた。


母の寝息。

俊介の優しさ。

病院の静けさ。


全部が、

葵の決意をそっと包み込むようで、

それでもどこかで

“何かが足りない”と囁いていた。


(大丈夫。

私はもう揺れない)


そう言い聞かせるように、

葵は紙コップを強く握った。


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