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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第20章

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俊介の本音

深夜の廊下。

俊介は、壁にもたれて座る葵を見つけた。


「葵……」


声をかけると、

葵はゆっくり顔を上げた。


「どうしたらいいのか……

分からないの……」


俊介はそっと葵の手を握る。

その手は冷たく、震えていた。


「俺は……葵のそばにいたい。

でも……葵は俺を見てないよな」


葵の呼吸が止まる。


「違う……そんなつもりじゃ……」


「分かってる。

でも……俺は、誰かの“代わり”でいいって

思ってたんだよ」


俊介の声が震えた。


「だけど……もう限界なんだ」


葵は何も言えなかった。

言葉を探しても、

どれも嘘になりそうで。


廊下の静けさが、

二人の距離をさらに広げていく。

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