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雪解け
「大和さんって……」
結衣が、閉店後の店内でぽつりと言った。
大和は片付けの手を止める。
「……何?」
「誰かを守ろうとしてた人の目、してます」
胸の奥が、
一瞬だけざわついた。
「そんな大したもんじゃないよ」
「ううん。
大切にしてた人がいて……
でも、もう戻れない場所にいる。
そんな目」
結衣の声は静かで、
どこかあたたかかった。
その温度が、
大和の心の凍った部分を
少しずつ溶かしていく。
(……前に進んでいいのか)
答えはまだ出ない。
でも、結衣の存在が
“今”を揺らしていた。




