前へ目次 次へ 7/209 強がり ストーカーの男は、 警察に相談したことで姿を見せなくなってきていた。 それでも葵の心は、完全には落ち着かなかった。 閉店後の店内。 蛍光灯の白い光が、 片付け途中のテーブルを照らしている。 「今日も送るよ」 大和が言った。 「もう大丈夫です。最近は来てないし……」 笑ってみせたものの、声が少し震えた。 うまく呼吸ができてない感じもする。 大和はその震えを見逃さない。 「怖い思いをしたんだ。無理しなくていい」 その言葉が、葵の胸の奥に静かに染み込んだ。