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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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一緒に進んでいる感覚

仕事の合間にスマホを見ると、

大和からDMが届いていた。


---

今日、広告が出るよ。

及川さんには先に言っておきたくて。

---


(……先に)


胸の奥が、ふっと温かくなる。


(……見ますね、店長)


心の中でそっと呟きながら、

葵は仕事に戻った。


---


昼休み。広告が公開された。


社内のチャットがざわつき始める。


(あかり)、また新しいの出すらしいよ」

「OTARU? え、小樽ってあの北海道の?」

「映像かっこよすぎない?」


SNSでも同じように盛り上がっていた。


(……出たんだ)


葵は静かにアプリを開いた。


---


北海道の上空。

白い山脈。

青い海。

ゆっくりと小樽へ近づいていく。


黒背景に白文字。


灯は、北へ。

灯-OTARU-

期間限定


---


息が止まった。


(……店長だ)


店長の世界だ。

胸の奥がぎゅっとなる。


店長の仕事が、

またひとつ前に進んでいく。


でも──

今回も、ちゃんと教えてくれた。


それだけで、

涙が出そうなくらい嬉しかった。

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