548/615
一緒に進んでいる感覚
仕事の合間にスマホを見ると、
大和からDMが届いていた。
---
今日、広告が出るよ。
及川さんには先に言っておきたくて。
---
(……先に)
胸の奥が、ふっと温かくなる。
(……見ますね、店長)
心の中でそっと呟きながら、
葵は仕事に戻った。
---
昼休み。広告が公開された。
社内のチャットがざわつき始める。
「灯、また新しいの出すらしいよ」
「OTARU? え、小樽ってあの北海道の?」
「映像かっこよすぎない?」
SNSでも同じように盛り上がっていた。
(……出たんだ)
葵は静かにアプリを開いた。
---
北海道の上空。
白い山脈。
青い海。
ゆっくりと小樽へ近づいていく。
黒背景に白文字。
灯は、北へ。
灯-OTARU-
期間限定
---
息が止まった。
(……店長だ)
店長の世界だ。
胸の奥がぎゅっとなる。
店長の仕事が、
またひとつ前に進んでいく。
でも──
今回も、ちゃんと教えてくれた。
それだけで、
涙が出そうなくらい嬉しかった。




