伝えたい背中を押すこと
閉店後の店内で、
大和は葵からのDMを何度も読み返していた。
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教えてくれてありがとうございます。
多分いちばんに見ました。
とても素敵な雰囲気ですね。
ここまで作り上げるの、大変でしたよね。
まだまだやることがたくさんあるとは思いますけど……応援してます。
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読み終えるたびに、
胸の奥がじんわり温かくなる。
(……なんだよ、これ)
久しぶりだった。
“誰かに見てもらえること”が、
こんなにも心地いいなんて。
反応が返ってくるのが嬉しい。
伝えたことに意味があった気がする。
言葉を届けるって、悪くない。
そんな感情、
いつから忘れていたんだろう。
言わなくてもいい。
言わないほうが楽。
そう思っていた。
でも──
及川さんはあのとき、
「教えてくれたら嬉しかったと思います」
と静かに言ってくれた。
その言葉が、
半年以上経った今になって、
ようやく胸の奥で形になった。
(……伝えるって、大事なんだな)
無意識だった。
意識して“応えた”わけじゃない。
ただ、今回は自然と知らせたくなった。
そして、
その結果がこれだ。
応援してます。
その一言が、
大和の背中をそっと押した。
(……頑張れるな)
照明の調整も、
メニューの最終試作も、
予約制の細かい仕組みも、
まだまだやることは山ほどある。
でも、
“誰かが見てくれている”
そう思えるだけで、
不思議と前に進める気がした。
そして気づく。
(……まさに、これだな)
「言葉を伝えたい背中を押す」
灯-OTARU-のコンセプト。
大和は、この心地よい感情を噛み締めていた。




