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検査結果の影
診察室を出た葵は、
しばらく廊下の壁にもたれたまま動けなかった。
「進行が早まっています」
医師の言葉が、
何度も頭の中で反響する。
(そんなはずない……
だって、お母さん……昨日も笑ってたのに)
母は、葵の不安を悟らせまいと
いつも通りの笑顔を見せていた。
けれどその笑顔は、
どこか薄く、力がなかった。
葵は母の手を握った。
その手は、前よりも細く、冷たかった。
(絶対に……絶対に治すから)
そう心の中で繰り返しながら、
葵は母の車椅子を押して病室へ戻った。
その背中に、
静かに影が落ちていた。




