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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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言葉の代わりに出す一杯

翌日、会社に着くと、

女子たちがまた盛り上がっていた。


「昨日、夜も行ってきたよ!」

「カクテルめっちゃ綺麗だった〜!」

「ねぇ知ってる? 夜のカクテル全部“意味”あるんだって」

「そうそう! なんか“言葉の代わりに出す一杯”みたいなコンセプトらしいよ」

「大人っぽくて最高だった〜」


葵は笑って聞いていた。

でも、胸の奥が静かに揺れる。


(……意味のあるカクテル)


(店長が、そんなものを)


同僚たちは楽しそうに続ける。


「大和さん、夜はもっと雰囲気あるよね」

「分かる、あの落ち着いた感じね」

「葵ちゃんも行きなよ〜! 夜の方が絶対いいよ!」


葵は笑って頷いた。


「……そうだね。行けたら」


でも、

胸の奥では別の言葉が浮かんでいた。


(……1人で行ってみたい)

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