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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第13章

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孤独

その頃、東京では。


葵は母の治療に付き添いながら、

仕事と病院を往復する日々を送っていた。


母の笑顔は弱々しく、

その奥にある影を葵は見逃さなかった。


(大丈夫……大丈夫だよ、お母さん)


そう言い聞かせながら、

葵は母の手を握りしめた。


その手は、少しだけ冷たかった。


夜遅く帰るアパートは、

大和の部屋と同じように静かで、

葵の心に重くのしかかった。


(私……ちゃんとやれてるのかな)


母を支えたい気持ちは本物なのに、

自分の人生が少しずつ削れていく感覚があった。


でも、止まれなかった。

止まったら、母が不安になる。

止まったら、自分が崩れてしまう。


だから葵は、

今日もまた前に進むしかなかった。


ーー遠く離れた北の地で、

大和は自分の存在が薄れていくのを感じていた。


ーー東京の病室で、

葵は自分の心がすり減っていくのを感じていた。


2人はまだ、互いの痛みを知らない。

けれど確かに、

同じ夜空の下で、

静かに孤独を抱えていた。

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