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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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存在意義①

北海道に戻ってからの大和は、

居酒屋「(あかり)」の北海道支部でエリアマネージャーとして働き始めた。


冬の観光シーズンは特に忙しく、

朝から晩まで店舗を回り、スタッフの相談に乗り、

仕入れの調整やクレーム対応に追われる日々だった。


忙しさは、痛みを忘れさせてくれた。

いや、正確には——

痛みを考える隙を与えなかった。


「大和さん、次の店舗、移動しますか?」

「すみません、この発注、確認お願いできますか!」


呼ばれれば応える。

頼られれば動く。

気づけば一日が終わっていた。


(……これでいい。考えなくて済む)


そう思う一方で、

胸の奥にぽっかりと空いた穴は、

忙しさで埋まるどころか、

日に日に広がっていくようだった。


夜、アパートに戻ると、

部屋は静かで、冷たかった。


テレビをつけても、

音はただの雑音にしか聞こえない。


(俺って……なんなんだろうな)

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