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存在意義①
北海道に戻ってからの大和は、
居酒屋「灯」の北海道支部でエリアマネージャーとして働き始めた。
冬の観光シーズンは特に忙しく、
朝から晩まで店舗を回り、スタッフの相談に乗り、
仕入れの調整やクレーム対応に追われる日々だった。
忙しさは、痛みを忘れさせてくれた。
いや、正確には——
痛みを考える隙を与えなかった。
「大和さん、次の店舗、移動しますか?」
「すみません、この発注、確認お願いできますか!」
呼ばれれば応える。
頼られれば動く。
気づけば一日が終わっていた。
(……これでいい。考えなくて済む)
そう思う一方で、
胸の奥にぽっかりと空いた穴は、
忙しさで埋まるどころか、
日に日に広がっていくようだった。
夜、アパートに戻ると、
部屋は静かで、冷たかった。
テレビをつけても、
音はただの雑音にしか聞こえない。
(俺って……なんなんだろうな)




