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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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あの日の大和

居酒屋「(あかり)」に着いたとき、店はもう営業を終えていた。

暖簾の向こうから、内輪の打ち上げの笑い声だけが聞こえる。


葵はただ立ち尽くした。

走ってきた意味なんて、どこにもなかった。


やがて、店の灯りがふっと消えた。

扉が開く気配。

とっさに隠れた。


出てきたのは、大和だった。


横顔。

後ろ姿。

冬の道に溶けていく影。


声は聞けなかった。

名前も呼ばれなかった。

目も合わなかった。


でも、見れた。

それだけで胸がいっぱいになった。


帰り道、涙が止まらなかった。

嬉しくて、どうしようもなかった。


あの夜の記憶は、光輝いて残ってる。

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