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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 沈丁花
第12章

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交わらない2人

東京の病院。

葵は母の手を握りながら、

治療の効果を主治医から聞いていた。


母は笑っていたが、

その笑顔の奥にある不安を、葵は痛いほど感じていた。


(お母さん……

絶対に、絶対に治そうね)


葵は必死だった。


そのとき、

大和が東京を離れたことを知る術はなかった。


2人の人生は、

完全に別の方向へ進み始めていた。


ーー

北海道へ向かう列車の中で、

大和は雪景色を見つめていた。


東京の病院で、

葵は母の手を握りしめていた。


2人は遠く離れた場所で、

同じ痛みを抱えながら、

まったく違う道を歩き始めていた。


その道が再び交わるのは、

このときから20年後のことだった。

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