前へ目次 次へ 407/499 俊介からの通知 “俊介”の名前が画面に浮かんだ瞬間、 胸がぎゅっと縮んだ。 開けない。 でも気になる。 でも怖い。 優しさが刺さる。 返せない自分が嫌になる。 電車の揺れに合わせて、 心も揺れる。 未読のまま、 スマホを握りしめる。 (どうして返せないんだろう) (夫でしょ) 自分でも分からない。 ただ、開いたら何かが崩れそうで怖かった。 窓に映る自分の顔が、 少しだけ疲れて見えた。 指先が震えて、 画面を伏せた。 胸の奥で、 言葉にならないざわつきだけが膨らんでいく。