393/497
断片が繋がってしまう
午後の仕事中、ふとした瞬間に、断片がつながった。
葵の二色のだし巻き。
“忘れられない人がいる”と言った夜。
叶わない恋。
既婚者。
北海道の話を避けた理由。
灯の名前に揺れた葵。
沈黙。
涙。
笑顔の奥の影。
そして――
大和の奥さんの話。
だし巻きの昔話。
画面越しの大和。
17年間、触れられなかった部分が、
一本の線になってしまった。
(……葵の忘れられない人って、やっぱり大和なのか)
胸の奥が、静かに、確実に沈んでいく。
もう“勘”じゃない。
これは、17年越しの確信だった。




