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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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名前の重さ

大和はカウンターに座り、スタッフと話し始めた。


「東京の本社、どうでした?」

「いやいや、相変わらずだよ。昔の話ばっかりされてさ」


“昔”

その一言が、俊介の胸に重く落ちた。


葵が19歳だった頃。

東京でバイトしていたあの頃。

どんな人たちと、どんな空気の中で働いていたんだろう。


ただそれだけの想像なのに、

胸がざわつく。


俊介はグラスを飲み干し、席を立った。

店を出た瞬間、夜風が胸に刺さる。


心の中でつぶやく。

(……あの人が、大和さん)


影だった名前が、

現実の重さを持ち始めた瞬間だった。

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