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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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確かめる灯りの色

仕事帰り、気づいたら足が勝手に向かっていた。

葵が向かっていた場所へ。


「ただの居酒屋だろ。見れば安心できる」


そう自分に言い聞かせながら、

(あかり)の前に立つと、胸がきゅっと縮んだ。


扉を開けると、温かい照明。

落ち着いた空気。

丁寧な接客。

どこか懐かしさを感じる店内。


「……葵、こんな店で働いてたんだ」


大学時代の葵を想像してしまう。

誰と働いて、どんな時間を過ごしていたのか。

知らない葵が、ここにいた気がした。


でも——

この訪問を葵に言う気にはなれなかった。


追い詰めたくない。

自分の勘違いかもしれない。


だから黙っておく。

それが正しいと思った。


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