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朝2
『やっ・・めろっ・・』
俺は無意識にりんの腕をつかんでいた。
躊躇いもなくズボンのチャックを外そうとしていた
りんに。
『・・・』
変な沈黙が時を進める。
カチカチと、
時計が針を進める音だけが聴こえる。
『りん・・・』
りんは顔を上げて微笑む。
『すみませんでした・・・』
そう言うと僅かな自分の手荷物を持ち去り玄関を出て行った。
振り向きもせず。
真っ直ぐに。
なんなんだ・・・
そんな想いが頭をよぎる。
りん
って・・・
何者なんだ・・・