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『朱里ちゃんの戯言』短編小説集   作者: 健野屋文乃
8章 あやかしの章

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74/82

αとφ

無口な少年αが、


雨の日の帰り道を歩いていると、


すぐ目の前で


いつも真面目な雰囲気を漂わせている


学級委員長の少女φが、


何かに躓いて勢いよく転んだ。


無口な少年αは、


学級委員長の少女φと、


そんなに親しくはなかったので、


水たまりで水浸しの学級委員長をよけ、


無言で立ち去った。


ふと振り返ると、学級委員長の少女φは、


少年αを見上げていた。


真面目な学級委員長の少女φとは、


思えないほど、その視線はホラーじみていた。


「幼稚園の桃組以来、


幾多のクラス替え&進学を乗り越え、


ずっと同じクラスだった私に対して、


それはないんじゃない?


今年で12年目だよ!


α・・・君の中に愛はあるの?」


少年αは、長い事考えて答えた。


「ない。思い当たるとこもない」


水浸しの少女φは立ち上がると、


「α・・・ちょっとその場で跳んでみて」


と学級委員長としてあるまじき台詞を言った。


少年αは素直に、ぴょんと跳んで見せた。


すると学ランの内ポケットから、不思議な音がした。


少女φは、少年αの学ランの内ポケットから、


何かの欠片を取り出した。


「あるじゃない、12年分も」


「12年分?」


「12年分の愛。


あなたが贈るべきだった愛。


私が受け取るべきだった愛。」


少女φは、その欠片を自分に振り掛けた。


すると少女φの可愛さが、120%アップした。


「ふふん」


少女φは微笑んだ。




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