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いつか最強になるその日まで  作者: 彩京 一木
第2章 新たな人生の幕開け
8/8

7話『錬成魔法(数十分のみ)』

時間が足りない……結構更新遅くなります。

「可愛いなぁ……」


 そう呟く少女は、幽希の頭を撫でている。

 それによって目を覚まし、見つめ合う2人。


 ボーッと少女を見た後、誰だこの子は?と思ったのだが、すぐに分かった。特徴的な耳と尻尾がある為、セツナとユニの娘に間違いない。

 髪は、ユニが濃い赤であるのに対して、この少女は明るい赤だ。活発系美少女だろうか。


「えっと、何をしてるんだ?」


 状況を呑み込めない幽希は質問してみたが、少女はそれを質問で返して来た。


「あ、ごめん、起こしちゃったかな?」


「いや、それはいいんだけどさ。」


 幽希が自分の頭の後ろをポンポンと叩く。

 そこにあるのは、少女の太腿。

 分からないフリをしたかったところだが、少女の位置的に、膝枕しかなかった。


 これはどういうことだ?と目を向ける。


「その……可愛くてつい?」


「……なんだそれ。足は痺れてないのか?」


 何がついなのかは分からないが、とりあえず心配する幽希。但し、照れて目を逸らしながらである。


「大丈夫。あ、嫌だった?」


「別にそんな事はないけど……」


 そう言うと、少女は微笑んで頭を撫で始めた。

 少しの沈黙を挟んで、幽希が少女の事を聞いた。


「私はアニマ。ルナのお姉ちゃんで、10歳だから、ユウキ君のお姉ちゃんでもある。いくらでも甘えて良いからね!」


 むしろ甘えろ!というニュアンスを感じる。

 そして、アニマという名前に吹き出しそうだったが、辛うじて堪える。怪しまれてもいないようだ。


 アニマというのは、精神医学の方なのか、ラテン語での魂の事なのか。

 あるいは、この世界にそういう名前の何かがあるのか。凄く気になるところではある。


「よろしく、アニマ。」


「……ねえ、ユウキ君って大人っぽくない?」


 先程、「ユウキ君のお姉ちゃん」と言ったのをスルーされたアニマが変な事を言い出す。

 その言い方からすると、幽希が転生者であることは知らされていないようだ。

 とはいえ、今更敬語にしても変だろう。


「大人っぽくは無いと思うけどな」


「ううん。落ち着いてるし、包んでくれそう」


 包容力があると言いたいのだろうか。

 恐らく、子供だからそう感じるのだろうと納得する幽希。


「そういえば、どうしてここに居たんだ?」


 それは、今幽希が寝ている部屋に入っていたことについてだ。アニマは、考え込む。


 そして、ようやく思い出した。


「あっ」


 だかしかし……


 ――ガチャ


「アニマ?起こしてきてって頼んだでしょ?」


「ご、ごめんなさ〜い……」


 何となく予想は出来ていたが、案の定だ。

 そして、その話し声でルナも起きた。


「うーん?……あ、お姉ちゃん!」


「ただいまっ」


「おかえり!」


 笑顔で抱き合っている様子からも分かるが、随分と仲のいい姉妹だ。微笑ましい。

 2人を見ていると、いつの間にか来ていたセツナが、幽希の隣で座っている。


「ユウキ君には話してなかったと思うけど、もう1人の娘だ。昨日は、君と同じような経緯で友達の家に泊まっていてね」


「あー、なるほど。それにしても、俺の顔ってそこそこ目つきが悪いはずなんですけど、可愛いってどういうことですかね?」


 幽希の目つきが悪いのは、前世のものだ。

 家で鏡を見つけた時、顔が引きつってしまった。何故なら、前世と全く同じ顔だったからである。

 何か理由があるのかは分からないが、態々同じ顔にしなくともいいだろうと嘆いた幽希。


「多分、寝てる時は分からないからさ」


「……納得です」


 寝てる時は可愛い。

 起きてる間は目つきが悪い。

 大人っぽいというのは、それだったのだろうか?幽希は出来れば違うと信じたい。

 前世の両親は、美形だった為、幽希も目以外ならそこそこだと自覚している。少しモテるくらいだと。


 扉の前で見ていたユニもこちらに来て、幽希の体調を気にしている。すっかり忘れていた。


「それでユウキ、体はもう平気?」


「はい、痛みも無くなりました」


「うん?ユウキ君ってば、怪我でもしてた?」


 それを聞きつけたアニマが、心配そうに見てくるので、ただの筋肉痛だと説明しておいた。


「そう言うと軽く聞こえるなぁ……」


「でも、実際そうですし。それで、ユニさん。起こしに来たんですよね?」


「ええ、お昼は食べるでしょ?後、あれが()()()筋肉痛だって言うなら、ユウキを人間とは認められないわね」


 そう言われて初めて空腹だと気づいた。そして、後半は聞こえなかった事にする。

 すると、ぐぅ〜っとお腹がなってしまった。


「食べます。行きましょう、ほら」


 恥ずかしかった幽希は、若干早口気味に言った。

 アニマがニヤニヤしているが、完全無視。


 食事中は、幽希が箸を使っているのを見たアニマが真似して、出来ないのを悔しがったり、出来るルナが幽希とお揃いなのを喜んだりしていた。


 さらに進んで、後片付けが終了。


「今度は私の番ね」


「お願いします、師匠」


 教えてもらう間は、師匠と呼ぶ事にしている。

 それ以外は、ユニさん。メリハリは重要だ。


 幽希はセツナも師匠と呼ぶつもりだったのだが、本人に駄目だと言われた。

 別に、幽希を弟子にしたくないという話ではなく、そういう堅苦しいのが好きじゃないとの事。


「そうね、まずは……魔道具についてどのくらい知ってる?」


 そう言われても、あまり知らない。


「えっと……魔法が使えなくても、魔力を流すだけで効果が得られるもの、くらいです」


「魔法が使えなくても効果が得られるのは間違いないわね。でも、魔力を流す必要がない物もあるの。例えば、内蔵魔力になっていて使い捨てだったり、空気中の魔素を吸収したりよ」


 それに幽希は驚いたが、


「ま、空気中の魔素を吸収っていうのは、かなり大掛かりなものにしか無いけどね?時間もかかるし」


 そう言って苦笑するユニ。


「後は、ゴーレムなんかも魔道具ね。知ってる?」


「名前しか知らないですけど、お金がかかるのだけは間違いないと思います」


 魔法で簡単に作れるなんてありえない。


「ええ、それも無駄にね。中途半端な素材で作ってもすぐに壊されるし、核も作るのが面倒なの。まあ、そのうち教えてあげるから楽しみにしてなさい」


 ゴーレムの作り方を教えて貰えると聞いて興奮している幽希だが、表情には出さない。


「分かりました、楽しみにしてます」


「よろしい。それじゃあ、錬成魔法のやり方を教える……と言いたいところだけど、その前に、魔法陣の事は教えて貰った?」


「見せては貰えましたけど、6()()()()は教えないって言われてたんですよね」


 つまり、今日からは問題ないという事だ。


「そう……今回は練習だから、細かい事は分からなくてもいいわ。真似をしなさい」


 差し出された手には、赤い魔法陣がある。

 しかし、そう言われてもやり方を知らない。


「どうやるんですか?」


「魔力でこの魔法陣を形作ればいいわ。簡単でしょ?」


 いや、知らん。等とは思っていても口には出来ない幽希。何はともあれ、試してみる。


 やってみれば、意外と出来るもので、色だけ黒くなった魔法陣が出来上がった。


 しかし、ユニは不服そうにこう言う。


「……ちょっと、なんで出来るのよ?」


「え?いや、やれって……」


「言ったわよ。でもね、そこは苦戦して私が手伝ったりするところでしょう!」


「えー……」


 師匠は理不尽であった。

 ユニとしては、上手くできない幽希にドヤ顔で教えたかったのである。本当は難しいそれを、あっさりやって見せた幽希もおかしいが。


「そういえば、魔力関係のステータスが高かったのよね……魔力操作の練習とかしてる?」


「毎日やってます。お陰で……いや、何でもありません」


 さすがに、「もう才能値が5です」なんて言えない。そのうち、自分の事を教えるつもりではあるが。


「何よ?……まあ、いいわ。毎日やってるなら納得ね」


 言うつもりが無いのを理解したユニ。


「変な事を言って悪かったわ。それが出来るなら、この鉄を使ってやってみましょう。こうやって魔法陣を鉄の上にして、変えたい形をイメージしながら魔力を流すの」


 実際にユニがやってみると、魔力光を放ちながら、鉄が形を変えていく。フォークだろうか。


「金属が柔らかそうに見えますね」


「私もそう思うわ。……はい、ユウキもやってみなさい」


 出来上がったフォークをそのまま渡されたので、ユニと同じようにやっていく。


「それにしても、ユウキの魔力は真っ黒ね」


「そうですね。これって魔法陣を作ると色が付きますけど、何か意味はあるんでしょうか?」


 幽希が首を傾げる。


「確か、色によって契約出来る精霊が違うはずよ。まあ、学院に通えば嫌でも習う事ね」


「本にもそんな事が書いてあったような」


 結構前の事だったせいで、忘れてしまったらしい。


「それと、話しながらとんでもない物作らないで貰える?というか、もうそんなの作れる訳?」


 会話しながらも作業は続けていた。

 その結果出来上がった物は、


「ルナっぽく出来てます?覚えてない部分は適当ですけど。」


「似すぎよ!」


 ルナのフィギュアだ。しかも、かなりの力作である。


 そんな事をしていると、ドアが勢いよく開いた。現れたのは、ちびっ子2人。


「わー、ルナそっくりだね。ユウキ君が作ったの?」


「すごーい!ゆーくん天才!」


 言わずもがな、アニマとルナが乱入してきた。


「全く……邪魔しちゃ駄目って言ったでしょう……」


「パパとママばっかりゆーくんを独り占めしてる!私も遊びたい!ゆーくんもそーだよねっ?」


「えーっと……」


 助けを求めるようにユニを見る幽希だが、肩を竦めて首を横に振っているだけだ。

 つまり、諦めろ。ということである。


 ここで断れば宥めるのに時間がかかり、頷いてもここで終わりになるだろう。

 どちらにしても、続行不可だ。


「そうだな、一緒に遊ぶか!」


「やったー!」


「……ごめんね、ユウキ君」


 残念な事に殆ど時間が経っていない。

 だが、いつでも出来るのだから、問題はないだろう。


「ま、子供は元気に遊ばないとな」


「ゆーくん、早く行こう?」


 それに、遊ぶだけでもステータスは上がるのだから、無駄にはならないのだ。幽希()()()

次回は街にでも出かけようかなって。

アニマをヒロインにするかは決めていませんよ?

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