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いつか最強になるその日まで  作者: 彩京 一木
神を救う。そして転生。
1/8

プロローグ 『才能の欠落』

理を統べる転生者の方が、思いつかなかったです。という訳で、息抜きする為に新しいの始めました。

今回は転生するまでなので、面白くはないと思います(保険)

 皆さん、テレビを見ていると、通り魔事件のニュースが偶にやっているのはご存知だろう。

 では、目の前で人を刺そうとしている瞬間を見た事は?大体の人は無いと答えるはずだ。


 なら、それが実際に起こるとしたら、あなたはどうする?


 1.警察に通報


 2.素通り


 3.止める


 4.その他


 警察に通報するのは、正しい事だと思う。自分でやるには、かなり危険である。


 素通り……道徳的には良くない事だが、凶器を持った危険人物を避けるのは自分を大切に出来ているのだし、全然問題は無いだろう。


 止めるというのは、武術の心得があったとしてもかなりリスクがある。

 だが、カッコよく助けられたなら、勇気ある人物として尊敬されるかもしれない。


 その他の1例として、野次馬というのを出そう。

 スマホ等で撮影をしながら眺めていたりもする人達。イラッとしたこともあるだろうが、彼等のおかげで犯人逮捕に繋がる事もある。


 さて、こんな話をした理由については分かっていると思う。


 そう……


「うぉぉぉ!!」


 目の前に、その光景が広がっているのだ。

 実践編、開始だ。


 とはいっても、相手は1人だけ。

 つまり、実践出来るのも1つだけ。

 ならば、選ばれるのは必然的に自分がそうしたいと思った事だろう。


 そして、彼の選んだ選択肢はこれだ。


「危ないっ!」


「邪魔するなぁーー!!」


 彼が自分の腹を見ると刃が全て埋まっている。

 激痛ではあるが、耐えきれない熱さのようにも感じた。


 彼が選んだのは、3の止める。

 このまま何もしなければ、ずっと後悔するかもしれないと思い、飛び出した。


「うわぁ!?」


 彼の血を見て、ようやく人を刺したことを理解する通り魔は、パニックになってどこかへ走っていった。

 あの様子なら、すぐに捕まることだろう。


 そして、とめどなく溢れてくる血を見ながら、彼は諦めたように乾いた笑いを浮かべる。


「これは……死んだな……」


 沈んでいく意識の中、視界の端で自分が庇った男性の姿を捉えた。


「すまない、僕の不注意で……」


 意図は不明だが、「それなら、俺の分まで生きてくれ」というセリフを言いたくなるような顔である。しかし、既に声は出せない。


 やがて、完全に意識が無くなった後、先程の男性が呟く。


「償いは、させてもらうよ。」


 次の瞬間、そこに居たのは、首を傾げる野次馬達だけだった。



 ――――――――――切取り線――――――――――


「う、うぅん?」


(ここは何処、俺は佐藤 幽希)


 目が覚めた彼……もとい幽希は、現状の把握をしようとするが、余計に混乱してしまう。


(天井無いからあのネタは出来ない……というか、白い部屋なのに天井が無いぞ?……よく見たら壁も分かんないし。)


 境界線があるのか分からない程に真っ白な部屋。という事で結論付けた幽希は、先程の出来事を思い出す。


(確か……学校の帰りに通り魔から男の人を助けて……刺されたよな。で、死んだ。)


 一応確認すると、他の事も思い出せた。


 日本人の父とハーフの母、そして幽希の3人で仲良く暮らしていた。

 通っていたのは、ごく普通の高校で、成績は常に平均を保っていた。というよりも、勉強してもそれ以上に上がる事は1度もない。


 顔は……そこそこイケメンといった所か。

 母は、日本人とフランス人のハーフで、髪は金髪。クオーターである幽希は、茶髪だ。


 本当ならモテてもおかしくない見た目なのだが、父親譲りの目つきの悪さで若干怖がられていた様子。


(家族の事も、友達の事も、全部覚えてるよな……)


 ならば、何故意識があるのか。

 幸い、その疑問に答えてくれる人物がいた。


「さっきは助けてくれてありがとう。そして、僕のせいで色々と申し訳ない。」


 突然現れ、頭を深く下げて謝る男性。

 しかし、幽希にとってそれは問題ではない。


「それは大丈夫です。それより、ここは何処ですか?あなたはさっきの人ですよね。突然現れたり、この場所とか考えると、実は神様とか……」


 異世界転生する小説はよく読んでいた。

 なので、この展開を考えると……


(観光中の神様……なんて、あるわけ……)


 自分の考えに苦笑していた幽希だったが、実は間違っていなかった。


「あはは、正解!神なのも、観光してたのも。あ、何で分かったのかって?それは、君の心を読ませてもらってるからだよ。」


「ラノベって、実は間違ってなかったんだな。誰が思いついたのやら……」


 初めて転生もののテンプレを書いた人は、天才なのかもしれない。

 なんて、考えていると、


「あ、それね、実体験だと思うよ。滅多に居ないけど、異世界に転生して、更に死んだ後、日本へ転生した人もいるんだ。まあ、誰も信じないから、本として出したんだろうね。」


 ここで明かされる衝撃の真実。恐らく、転生した後では力も無く、証明できなかったのだろう。

(本物の異世界、行ってみたい……いや、そんな事言ってる場合か)


「あ、そうか、ここが何処か知りたいんだよね?えーっと……説明が難しいんだけど、使い道は、応接室みたいなものかな。で、僕はシトロフ。地球の管理者をしているんだ。」


(管理者……優しそうな人なのに、結構凄そうな神様だな。)

 シトロフはあまり強そうに見えない。 しかし、雰囲気が普通の人とは違う。


「それで、どうして俺をここに?」


 ただ転生するなら、何も言わずにやればいいだけだ。もし、一人一人話していたら、時間がかかり過ぎる。


「さっき、色々と申し訳ないって言ったね。それは、庇ってもらった事もある。体は普通の人と同じにしていたし、もし刺されていたら死んでたかもしれない。そして、もう1つは、君の存在を地球から消した事なんだ。」


「ふむふむ……え?」


 普通に死んだはずなのに、存在ごと無くなったと言われて驚いた幽希。

 シトロフら更に説明を続ける。


「消えたと言っても、戻そうとすれば生き返った状態で戻せる。けど、1度ここに呼ぶのにっていうのと、何かお礼をさせてもらいたくてね。」


 生き返れると言われてホッとした幽希だが、お礼という言葉を聞いてワクワクしていた。


「生き返る時に、身体能力を上げておくとか。その場合は、元々そうだった事になるから変な目で見られることも無い。後は、異世界転生とかでもいいよ。」


「……異世界。でも、地球の管理者なんでしょう?勝手にそんな事して大丈夫ですか?」


(もしも、後で消されりしたら困る)

 そう思った幽希は、確認したのだが、それは杞憂だった。


「大丈夫。僕はそれなりに偉いからね。人を1人転生させても問題ないくらいには頑張ってるんだ。ちょっとしたオマケも付けられるかな?」


(行ってみたい気もするけど……弱かったら意味が無いしな。)

 転生した直後に死亡すれば、大人しく生き返っておけば良かったと後悔するだろう。


「それなら、オマケで何とかなると思うよ。具体的には、自分の望む能力を、転生時に獲得するって感じ。行く所は、ステータスはあっても、スキルは存在しない世界。あ、召喚された勇者はあるんだったかな?」


 ステータスがあったり、スキルは無かったり、勇者が居たり。ファンタジー世界でも、スキルが無いなら、能力を貰えるだけで十分だろう。


「でも、スキルの代わりに、才能値ってものがあるんだ。これは生まれた時から決まってるんだけど、Lvが上がる時に1番熟練度が高い項目だけ上昇する。」


 才能値は6段階に別れているらしい。


 0.諦めた方がいい


 1.まあ普通


 2.筋がいい


 3.この道に進むべき


 4.本物の天才


 5.人の限界を超える


 達人や英雄なんかは、最低1つは才能値が3か4になっているそうだ。

 実は、5が最大ではない場合もあるそうだが、5ですら出ている人間はいない。


 とはいえ、才能があろうと、努力しなければ宝の持ち腐れな訳で。

 そんな物……


「最高じゃないですか。」


「あれ、予想外の反応だ。もっと渋い顔をするかと思っていたんだけど。」


 シトロフが目を瞬かせているが、幽希は喜びでそれどころではない。

 才能の見え、上昇する。それはつまり、最初は低くても、Lvが上がれば限界は無くなるという事だ。


 ここで少し、幽希について話そう。

 子供の頃から褒められるのが嬉しくて、努力をするのが好きだった。しかし、いくら努力をした所で、才能が無かった幽希は極める事が出来ない。


 それでも、色んな事を試していけばいつか才能のあるものが見つかると信じて、数多くのスポーツやゲーム、身近にあるものを片っ端からやってみた。

 そうすると、確かに多才にはなったのだ。

 だが、幽希が求めていたのは何かで1番になる事。

 元々、褒められる手段だったのが、いつしか目標となっていたのだ。


 そんな幽希に、才能が上がるなんて話をすれば、こうなるのも当たり前である。


「という訳で、転生します!」


「どういう訳さ!いや、いいんだけどね。どんな種族がいるとか、地球に無いものの説明とか、聞かなくていいの?」


 幽希の喜びように苦笑したシトロフは、そう聞いてくる。しかし、返答は雑。


「良いんです。行ってから調べます。そうじゃないと面白くない!」


 一刻も早く転生したい幽希は、意味の分からない事を言いつつ、シトロフに迫る。


「分かった、転生させるよ。でも、本当にいい?お父さんとお母さんには会えなくなると思うよ?」


 その言葉で、一旦落ち着く幽希。

 当然、色々試すには親の協力も不可欠だったし、いつも支えてくれていた。


「でも、俺は最初から居なかった事になるんですよね?それなら、優しい両親を泣かせたりしなくて済みます。」


「ちゃんとわかった上で、転生するのを選んだみたいだね。それなら、頑張って。幽希君にだけ肩入れする事は出来ないけど、個人的には応援してる。」


 近所のお兄さんかのように優しく微笑んでくるシトロフ。自然、幽希も笑顔になる。


「はい、頑張りますよ。……シトロフさんには、凄く感謝してます。」


「助けてもらったお礼だからね。それにしても、初めて名前で呼んだよね。」


(あ、確かに。)

 だが、それは幽希だけではない。


「シトロフさんも、1回しか呼んでくれてないですよ?」


 転生するらしく、幽希を光が包んでいる。

 そんな状態でも会話は続く。


「あれ、そうだっけ?……それじゃさよなら、幽希くん。これで、1回じゃない。」


「さよなら、シトロフさん。これで、3回目ですね。」


 最後まで、下らない話をしながら消えていく幽希。残されたシトロフは、悪い笑みを浮かべる。


「面白いね。僕とあんな風に話してくれる人は久しぶりだった。……ちょっと、サービスしようか。それで、僕の仕事を減らして貰おう。複数の世界を管理するのは大変だしね。」


 こうして、少しだけ変な少年が、少しだけ面倒臭がりの神によって転生したのであった。

次回、赤ん坊の幽希になります。

何させようかな〜?……こっちの方が捗る。

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