003
スキルに関するツッコミはなしの方向で。
「じゃあそういうわけでいろいろ決めていこうか。
この世界なんだけどスキル性になってるんだ。
ただ注意してほしいのはスキルはあるけどゲームみたいなレベルはないって事。
モンスターを倒したからってレベルが上がって急激に強くなることはないってことだよ」
それだといつまでたっても強くなれないんじゃないか?
「う~ん、そこら辺は本人の努力次第かなぁ。
ただその代わりにスキルには熟練度があるんだ。
使えば使うほど技が冴えていき、ある程度熟練が貯まると次の段階へと進むんだ。
ある日ふっと今までできなかったことができるようになる感じでね。
そこら辺は実際に使ってみて何となく感じ取ってもらわなければいけないけれど」
それじゃあステータス的なところはどうなってるんだ?
「そこら辺は感覚で、としか言いようがないかなぁ。
普段から鍛えていればある程度体力は高まるし、逆にサボれば体力は落ちていく。
厳密なHP・MPなんてものもないから普段からコンディションチェックはこまめにね。
まぁそこら辺が分かるような能力はつけてあげるよ」
それはありがたい。
「あ、あらかじめ言っておくけど変化は緩やかなほうがいいから初めからマンガみたいに無双できると思わないでね。そこらへんも調整することになるから」
む、魔力の才能はあるのにいきなり殲滅級魔法が封じられるとは……
一度でいいから俺TUEEEEEEしてみたかったのにな。
「まぁそんな所だと思ったよ」
どこか苦笑するような気配が伝わってくる。
「まずは世界の言語や知識なんかも含めた『世界知識』、しばらくの活動資金や必需品なんかを入れた『アイテムボックス』、自分の状態を知るための『ステータス』。この3つを基本としてつけるね。
そのほかのスキルについてはこれを見て選んでね」
そういうと目の前にウィンドウのようなものが広がった。
ずらっといろいろなスキルが並べられていてどれもがまさにファンタジーといったものばかりだ。
とりあえず安全重視で防衛系を探してみる。
『見切り』や『護身術』、『盾術』なんかがあるがどれもこれだという物がない。
そんな中である物が目に入った。
『超回復』
いきなりパワーインフレしそう何だがこれはいいのか?
「それね。普段の時から体力の回復が早くなったり傷の治りが早くなったりするんだけど、結局それだけだからね。死なないわけじゃないし数の暴力には敵わないからね」
ふうん、俺としてはいつまでも痛いのは嫌だからとりあえずこれは確保で。
それから近づけさせなければいいって事で『結界術』。
最低限の自衛力はほしいけど武器なんか持ったことないし実際にうまく使えるかはわからないからここは無難に『剣術』で。
それから魔法も使ってみたいから『属性適性(全)』。
いろいろ作ってみたいしあこがれもある『錬金術』に『鍛冶術』。
とりあえずここまでは無難に決まった。
だがはたして敵を前にしたとき自分は戦うことができるのだろうか?
そう思って思いついたのが代わりに戦ってもらえばいいというものだった。
一覧を探すとまさに欲しいスキルがあった。
『召喚術』
これでもし戦えなくても自分は結界の中に逃げていればいい。
――――――――――――――――――――――――
彼方 上岸 (16)
体力 (100%)
魔力 (100%)
状態 良好
スキル
『剣術』『超回復』『属性適性(全)』『結界術』
『召喚術』『錬金術』『鍛冶術』
ギフト
『世界知識』『アイテムボックス』『ステータス』
――――――――――――――――――――――――
『ステータス』と念じて開いてみると以上のようになった。
今はまだ大した能力でなくてもこれを極めたら最強なんじゃなかろうか。
ちなみに体力なんかの表示を見て何となくの意味を察した。
(割合表示ってことね)
下手したら一撃で死にかねん。