スキルについての概要です
今回は「サモナーさんが行く」のロッド様の文法を参考にさせていただいて書いてみました。
ロッド様の文法は非常に読みやすいので今後も参考にさせていただきたいと思います。
読みやすいかどうか分かりませんがどうぞ。
『死霊術』スキルが増えたことについて考察してみよう。
原因は間違いなくゾンビを召喚して操作したせいだ。
そんなに簡単にスキルが増えていいのかと問われればそれは是だ。
実際評価1のスキルに関してはよほど特殊なものでもない限り誰でも取得することができる。
剣を振っただけで『剣術』が、針に糸を通しただけで『裁縫』がという具合にだ。
ではなぜスキルが重要視されるのかと言われれば明確な分水嶺が存在するためである。
第一の分水嶺は評価2と3の間。
これは言ってみればプロとアマチュアの差のようなものだ。
同時に才能の分かれ目でもあると言える。
多くの人間がこの差を乗り切れずに挫折し散っていく。
逆にいえば乗り切った者は晴れて正式なスキル保有者と認められるのだ。
スキル評価3とは一種のステータスである。
実際この世界の個人証明に記されるスキルは評価3からとなっている。
3と4の差は比較的緩い。
これは一種の慣れである。
3までに培った技術をいかに効率よく発現するかがカギとなる。
より短時間で、可能な限り最短手で実行することこそが試される。
コツをつかめばそう遠くないうちに達する領域ともいえる。
最大の難関は第二の分水嶺たる4と5の間である。
もはやここに至っては正道も邪道もない。
効率をつきつめた先の結果のみが存在する領域。
いかなる剛の者さえ容易く超えることのできない壁が立ちはだかっている。
この賢人、偉人と称えられる領域に至った者は有史以来かたてまで数えられるほどにしか存在しないのだからその偉業は推して知るべしだ。
何が言いたいかと言われれば今後活動していく上でスキルは限りなく増えて行くだろう。
つまりこの程度で驚いていては今後やっていけるかどうかすら怪しいというわけで、もはやこの程度の些事は気にしないことにした。
そうこうしている間にいつの間にか空が白み始めていた。
本来であれば寝不足確定であるが『超回復』のおかげで疲労は感じない。
超回復は魔力を起点に体力へと変換するため魔力がある限り休息の必要はない。
おまけに魔力の回復まで助けてくれるという親切設計。
ぶっちゃけ食事も必要ない。
昨日は生活のリズムをとるために食事したが、生命活動に必要なエネルギーも魔力から変換されている。
もしかしたら空気さえ必要ないかもしれない。
えっと、休息・休眠・食事が必要なくて不老不死。
オレ、軽く人間の領域越えてね?
自分がはたして人間なのか神がいたら小一時間問い詰めたいが周囲を見渡しても従魔しか存在しないので今回は諦めることにする。
とりあえず食事も睡眠も娯楽の一つということで今後は手を打つとしよう。
ところでゾンビの持つ『腐毒』ってどんなスキルなんでしょうね?
どうせなので実演してもらいました。
「グべらァッ!」
口からなんか黄緑色でドロドロした液体を吐きだしました。
毒なんでしょうね。
木の枝でつっついてみたら先端が溶けました。
鑑定してみたのがこちら。
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腐毒
胃酸と腐廃液が混ざり合った液体。
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溶けたのは胃液のせいですか。
木の根も食べるゴブリンの胃酸恐るべし……。
ますますトラップとか地雷みたいな使い道しか思いつかない。
ふと思いついて腐毒の上にスライムを召喚してみた。
スライムが着地した瞬間ジュウジュウと音を立てて溶け始める。
どんどん小さくなっていく以外スライム自身には何の変化もないが。
結局そのまま溶けて消えてしまった。
やっぱり無理だったのだろうか。
『環境適応』でなにかしら変化があるかと思ったんだが。
諦め半分で《従魔の書》を開いてみる。
あった。
ありましたよ。
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アシッドスライム
Ⅲ等級
体から酸を放出するスライム。あらゆるものを溶かす。
スキル
【体当たり:1】【酸放出:3】【消化吸収:3】【環境適応:4】【分裂:3】
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酸放出の評価が高いのはゴブリンの胃液だったせいだろうか。
すまんゾンビ、早くもお前の後任ができてしまった。
どちらが使いやすいかは知らないが間違いなく移動速度はスライムのほうが上だろう。
ぜひとも今後の活躍に期待したい。
ゾンビ?
知らんよ。
まぁ、がんばれ?
うつろで濁った瞳がまるで解雇されたサラリーマンのようだ。
ただボーっとたたずむその姿には感情がないが希望もない。
とりあえず検証は終わったのでゴブリンゾンビにはお帰り願った。
ゾンビの扱いが不憫すぎる……。
個人的には気に入ってるんですがね。
再登場するかは気分次第。




