第68話 旅行
「ゴールデンウィークかあ……何も決めてないなあ」
「普段はどうしてるんすか」
「何もしとらん」
「……」
「そういうお前はどうなんだよ」
「走り回るっす!」
「あー、そんな感じね」
「反応薄いっすね」
「だってそのままなんだもん」
「まーそうっすけどー」
「連休とか作ってるの?」
「今年は七連休にしたっす」
「……あーそっか、土日は普通は働いてるんだもんね」
「どっか旅行とか行きたいところは無いんすか?」
「うーん……そもそも旅行とかって成り立つの?」
「へっ?」
「ホテルとか宿とか営業してるのかって話よ」
「あー、どうなんすかね」
「お前はいつもどうしてるんだよ」
「泊まらないっすからねー」
「日帰りで走ってるの?」
「いや、テキトーに草むらとかで寝てるっす」
「ワイルドすぎだろ……」
「気分いいっすよ!」
「遠慮しとくわ……」
「えーじゃあ結局連休中はずっとココにいるんすか?」
「別にいいだろ……明日16の日だから、そういうサービスが無いかちょっと探してみようとは思ってるけど」
「おー! いいのあったら誘ってくださいっす!」
「有ったらね」
「ぃやっふー!」
「そういやガソリンの給油とかってどうしてんの?」
「ガソリンなんて使ってないっすよ」
「電気自動車なの?」
「よく知らないっす」
「なんだそれ……」
「運転してるのは全部偉い人から借りてるモノなんで、どういう仕組みかはよくわかってないんすよ」
「車好きってそういうの興味ないの?」
「ボクは頭悪いんで、そういうのよくわからないんすよね……」
「運転さえできれば良いってか」
「その通りっす!」
「偉そうに言うことなのか? それ……」
「運転は上手だって、偉い人に太鼓判押されてるっすからねー♪」
「乗ってて冷や冷やするけどな……」
「とにかく旅行さえ決まればボクがどこにでも連れて行けるんで、行き帰りの心配は無用っすからね!」
「はいはい、頼りにしてるよ」
「海の向こうにだって行けまっすよ!」
「え? 水陸両用車とかあんの!?」
「……普通に飛行機っすけど」
「……飛ばせるの?」
「よゆーっすよ! この前、宇宙船の操縦も習ったっすから、宇宙にだって行けるっすよ!」
「行ってらっしゃい」
「反応薄いっすね!」
「別に行きたいと思わないしなあ……行ってどうすんの?」
「月でウサギさんのおモチを食べるっす」
「行ってらっしゃい」
「世界一周旅行とかいいかもな」
「そういえばそんなことしたことなかったっす」
「世界の果てはあるのか!?」
「どうなんすかね!?」
「奈落の滝の先には大地も海も存在しないかもしれないぞ?」
「気になるっす!」
「……宇宙船の操縦を習ってた時に地球を見なかったのか?」
「見たっすよ。青くて丸かったっす」
「じゃあ答えは決まってるだろ……」
「よくわからないっす」
「……」
「行ってみればわかるっす! 行きまっすよ! 世界の果てへ!」
「その果てが無かったら行けないわけだが」
「細かい事を気にしてはいけないっす!」
「宇宙船はともかく、飛行機ってホイホイ借りられるもんなの? お金とかどうすんの?」
「普段ちゃんと仕事してるっすから、そういうのは借りたい時にいつでも借りれるっすよ」
「マジかよ……まさか宇宙船もか!?」
「借りたことないから、どうなんすかね」
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