邪魔者にはどいてもらいましょう(百合視点)
「百合!!!」
部活に行く美里と別れ、リュウ様のところに行ったが、今日はもう帰られたらしくお姿が見えなかった。
もしかして、あの性悪女がリュウ様を引き留めているのかとも思ったが、あの女はいつもの取り巻きたちと一緒だったので、安心して教室に戻る。
リュウ様がおられないのなら、家へ帰って、リュウ様のために体を磨きあげようと、帰る準備をしていた。
そこへ、部活中のはずの美里が、息咳きって、怒りの表情で私のところにやってきて、私は思わず動揺した。
(もしかして、もうバレた!?早すぎる!)
…………昨日、町を歩いていたら、あの性悪女が1人で歩いていた。
せっかく、お気に入りのお店で、好みにぴったりのワンピースを購入して、気分がよかったのに、ため息をつきそうになる。
しかし、少し考えてみると、いつもはこれ見よがしに、取り巻きを引き連れていて、1人きりになかなかならず手を出しにくかったので、大チャンスだと気付いた。
本当は、あの女とレンくんが付き合えばいいと思っていたが、ここにはいないので仕方ない。
要するに、リュウ様以外の男と付き合って、リュウ様にご迷惑をおかけしないようになればいいのだから。
丁度隣に従兄弟がいたのでお願いしてみた。
「武彦、貴方、あそこの女を堕としてきなさい。」
「は!?」
「いいから!あそこのピンクのカーデ着てる女よ。私の名前は絶対に出さずに、『一目惚れしたんだ』とでも言って近付きなさい!」
「別に、一目惚れなんてしてね~んだけど。」
「一目惚れしてなくてもいいから!声をかけて、貴方に夢中にさせるのよ!どうせ彼女なんていないんでしょ!?」
「はぁ……お前相変わらず我が儘だな。」
「どこが我が儘なのよ?可愛い従姉妹のために一肌脱ぎなさいよ!大丈夫!貴方、私の従兄弟だけあって、見た目はまあまあだから。」
「言い出したら聞かないからなぁ……。でも俺、あんな地味な女、趣味じゃねーんだけど。やっぱり、女の子はかわいー子じゃないと声かける気になんねーよ。」
「いいから行ってらっしゃい!!」
「へーへー、分かりましたぁ。」
私のお願いを聞いてくれた武彦は、あの性悪女に声をかけてくれた。
武彦も美形とはいえ、リュウ様には遠く及ばない。
そのリュウ様の幼馴染みで、リュウ様を見てきたあの女が、武彦に夢中になってくれるかは、自信がなかったが、杞憂だったようである。
あの女にばれないように、少し離れたところで見ていたが、スマホを取りだし、番号の交換を始めたようだった。
やっぱりあの女は性悪女だったんだ。
だって、初対面の見知らぬ男に番号を教えるんだもの。
相手を、武彦にしておいたことに感謝してほしいくらいね。
あとは、念のためにレンくんに、武彦があの女をナンパしたことを伝えておこう。
そうすれば、あの女がリュウ様に近付く隙はなくなるだろうし、武彦かレンくんのどちらかと付き合うことになるだろう。
「聞いてよ!!あの女の取り巻きが失礼なこと言ってくるの!!!」
(よかった。バレた訳ではないみたい。)
美里に、バレた訳ではないと知り、ほっとする。
今、美里にバレるのは得策ではない。
美里は、レンくんのことになるとおかしくなってしまう。
私が、レンくんとあの女をくっつけようとしていると知ったら、激しく怒り狂い、妨害してくるだろう。
ただでさえリュウ様にまとわりつく人が多すぎて困っているのだ。
リュウ様が素敵過ぎて、そんな輩は、追い払っても追い払っても次から次へとわいてでてくるのだ。
あの性悪女とその取り巻きにも邪魔さて、リュウ様との仲も進められない。
美里まで加わるのは、面倒だ。
ばれないように進め、あの女には武彦かレンくんのどちらかと付き合ってもらって、私はリュウ様と素敵な日々を送るの。
もう計画は動き出したの。
ごめんね?美里。




