第29話 ミルト君の特別授業③
さて、ボクのひと声で安心したのか、魔力の循環はきれいに保っている。
集中力が高まってる証拠だ。
これで、ブレなければミルト君は風の初級魔法の【エアシュート】を上手く放てるはずだ。
「【エアシュート】!!」
そして、ミルト君の詠唱が完了し、魔法名を告げると共に風の魔力が放たれた。
「うおっ!?」
「きゃあっ!!」
風の弾丸として。
ボクはミルト君の傍にいたため、その風圧はあまり受けずスカートも捲れることはなかったが、ファナ達はその風圧を受けて吹き飛ばされた。
さらに、その風の弾丸は闘技場のフェンスに穴を開けた。
「うわぁ……。 これは……」
「ミルト君、本当にすごいね」
「でも、思った以上に鋭い弾丸みたいな感じでしたね……いたた」
「ファナ、大丈夫?」
「ええ、まぁ……」
吹き飛ばされた際に腰を打ったのか、腰をさすりながらミルト君とボクに近づいてくる。
確かに【エアシュート】とは思えない鋭い弾丸のような感じだった。
「闘技場のフェンスだけでなく、その奥まで穴を開けるとはな。 こっちの制御も後々やっていこうか」
「そうですね。 では、特別授業はここで終わろうか。 私はあのフェンスを修復してくるよ」
「ああ、昼の授業まで時間はあるし、アリス達は昼食の時間まで間に控室で身体を休めてくれ」
「分かりました。 じゃあ、ミルト君、控室に行こうか」
「はい」
「何だかんだでアリスさんにはもう打ち解けてますねぇ」
ファイアボールとエアシュートを会得した事で、ミルト君の特別授業はひとまず終わることになった。
だが、昼の実技授業までまだ時間はあるので、昼食の時間が来るまではボクとミルト君、ファナは控室で待機する事に。
なお、ラビ先生はフェンスの修復に勤しむことになった。
ボクの差し出した手を握るミルト君を見て、ファナがからかうように何かいったようだが、気にしない。
今はボクと一緒に居る事で安心感があるらしく、ボクに向ける笑顔も多くなっている。
「控室の隣がトイレだね。 行きたくなったらそこでしよう」
「そうですね。 まだ昼まで時間がありますから。 幸い控室には本も置いてあるので暇つぶしに読んでみるのもいいかもですね」
幸い、控室の隣にはトイレが設置されているし、控室の内部には多数の本が置かれているようだ。
まず昼食までまだ三時間もある。
本を読んだり、ミルト君とお話したりしながら時間を潰すとしようかな。
ミルト君には、ボクがワルジール魔法学校を退学処分にさせられた事と、その理由を打ち明けた。
それを聞いたミルト君は驚きを隠せなかったが、絶対に見返してみせようと言ってくれた。
約一か月後に控えたバトルフェスタでボクの出番はあるかは分からないが、出番があればそうしたいと思う。
ただ、ワルジールに残ったミーナはどうしてるかなぁ……。
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