発情と物好き
誠「な、なんじゃこりゃ!?」
俺は女体化した自分の体を見て、驚きを隠せずにいた。そして女体化のせいか持っていた剣も重く感じる。そんな俺を無視して、肛門からジルを出す竜は俺に近づいてくる。
竜「ハア…ハア…。」
誠「お、おい待てお前…!」
竜「グアアアアアア!!」
竜は手を開き俺を捕まえようと迫ってくる。その目は獲物を見る目に変わり、呼吸を荒くしていた。どうやら発情しているようだった。…なんで俺!?
剣聖「おーい、大丈夫?」
誠「これが大丈夫に見えるのかお前は!?」
アイラ「楽しそうに見えるぞ。」
誠「お前ら後で覚えとけよ!」
俺は剣をしまって動きづらい体を必死に動かし、竜の攻撃を避け続けた。そんな俺を助けようともしないパーティメンバー。あれ…こいつら仲間…だよね?
誠「あ、あのちょっとマジで助けて!そろそろキツいんだけど!」
ベル「い、いや…助けたいのはやまやまなんですけど…。」
千夏「相手が発情してると…ですね…。」
セナ「巻き込まれたら大変…。」
誠「そうだよね女の子だもんね!俺もだけど!!」
アルス「す、すみません…が、頑張ってください…。」
俺は助けてくれない仲間にため息をついたあと、作戦を考え始めた。今腰にかかってる剣は正直振り回せる自信がない、でも逃げてばかりじゃいつか捕まるだろう。
誠「…参ったな。」
竜「グアアアアアア!!」
誠「くそっ!」
竜の手を避けた俺は地面に散らばったジル、もとい竜の排泄物に足をとられ倒れてしまった。更に不運なことに倒れたさきに剣聖がいたのだ。
剣聖「ちょ…!」
誠「え…?うおっ!?」
俺は剣聖を押し倒し胸と胸、足と足をくっつけあい、百合漫画のような絵面になってしまった。…女体化も悪くないな…。
剣聖「は、速く離れてよ!あいつが来たらどうすんの!?」
誠「…俺の心配もしてくれよな…。」
俺は剣聖の腰元にかけられた神剣バハムートを手に取り、俺に向かってくる竜に突き刺した。すると竜は粉々に散り、大量のジルを撒き散らした。
誠「…疲れた…。」
俺はそう言いながら神剣バハムートを剣聖に返した後、皆と一緒に散らばったジルを集め始めた。…こんな疲れる予定じゃなかったんだけどな…。
誠「…よし!ジルも集めたし…帰るか!」
ベル「結構集まりましたね!」
アルス「これなら当分困らなそうです!」
誠「どうだか…。」
セナ「お金は一瞬でなくなる…。」
誠「その通り…。」
俺達は金使いを気を付けることを胸に誓い、転移魔法で家に帰った。家に着いた俺は疲れをとるべく真っ先に風呂に向かった。
誠「……。」
風呂の鏡に映る自分の姿を眺める。C…いやDあるかもしれない…。下も…聖剣は消え去りスッキリしていた。
誠「…はっ!?いかんいかん…これは自分の体だぞ俺…。」
俺は目に映る誘惑を遮るように目を閉じて全身を洗った。そして風呂を済ませ服を着てリビングに向かった。
千夏「あ、誠さん。」
アイラ「待ったぞ誠…速くギルド行こうぜ…。」
誠「だな。」
腹の減った俺達はギルドに向かった。ギルドに着き扉を開けると、いつも通りリディが待っていた。
リディ「あ、誠…さん!?」
誠「ああそうか…リディは知らないか…。」
リディ「どうしちゃったんですか!?」
誠「まあ色々な…。」
リディ「もしかして…そういう趣味…とか?」
誠「いや女装じゃないからこれ!」
リディ「えっ!?じゃあこの胸も本物!?」
誠「そうだぞ!どうだ?デカいだろ?」
リディ「そ、そうですね…。」
そんな会話をしたあと俺達は近くの席に座り、それぞれ注文をした。そして飯を食べているとき、隣の席の男二人組の声が聞こえてきた。
男A「な、なあ…あれ本当に誠なのか?」
男B「連れてる仲間も同じだしそうだと思うぞ?」
男A「ちょっとお前声かけてみろよ…。」
男B「はあ?なんでだよ…あ、まさかお前惚れてんのか?」
男A「なっ!?バッカちげーよ!お前バッカお前…ほんとバッカお前…」
男B「焦りすぎだろ…。」
そんな会話が聞こえてきたかと思うと、男二人組は俺の方に近づいてきた。そしてギクシャクした動きで男Aが話しかけてきた。
男A「よ、よお…お前ほんとに誠なのか?」
誠「そうだけど…?」
男A「へ、へー…て、てかなんでそんなに落ち着いてるんだ?」
誠「ん?んー…まあ考えても仕方ないしな。」
男A「な、なるほどな…あの、ブラとか…してんの?」
誠「はあ?なんだよ急に…。別にしてないぞ。」
男A「そ、そうなのか…してないのか……えっ!?し、してないの!?」
誠「急になんなんだよ…。してないって言ってるだろ…。」
男A「ちょ、今の聞いたかお前!?し、してないってよ!」
男B「聞いてたよ…それがどうしたんだよ…お前さっきからおかしいぞ…?誠は男だ、わかってるか?」
男A「…ゴ、ゴホン。わ、わかってるさ。じゃ、じゃあ俺達はこの辺で…。」
そう言うと二人はギルドを出て何処かへ行ってしまった。俺はそれを見届けたあと、首をかしげて食事を続けた。
剣聖「誠モテモテじゃん。」
誠「…?なんの話だ?」
千夏「えっ!?気づかなかったんですか!?」
誠「…なにが?」
リディ「あの二人組の一人、完全に誠さんに惚れてましたよ?」
誠「…マジで?」
ベル「本当に気づいてなかったんですね…。」
誠「いや…だって男から好かれてもな…。」
セナ「確かに…。」
アルス「竜にも男にも好かれて大変ですね。」
誠「ほんとだよ…。」




