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最高の晩餐

今日でちょうど掲載一ヶ月です!

「うちでは新しい店員を迎えるたびに、パーティーするの。まあ、パーティーといっても普段商会長一族の私とシェリネス、そして私の旦那は食べているデザートが店員にもついて、みんなでお祭り騒ぎするだけだけど」そんな話をしながら長い廊下を進む。どうやら私たちが話していたのは玄関的なところだったらしい。湯浴みできる場所が簡易的ではあっても作られていたのは、雨や雪の日ようだそうだ。そこで着替えて出てきたフェリは、フィノかそれ以上なレベルで豪華な装いだった。どうやらとんでもなく大きな店で雇われてしまったみたいである。



「ここが広間。店員を集めたい時に重宝してるわ。」扉の前には1人の店員がいて、トレーリンを見て軽く目を見張った後、フェリを認めると恭しくお辞儀し、重たそうな木製の扉を開けた。

「本日の料理は『鶏肉とじゃがいものハーブロースト』と『クリームチーズのサラダ』、『バゲット』。デザートは『クリームチーズと蜂蜜のムース』でございます。ごゆっくりお召し上がりくださいませ!」

恰幅の良い元気なおじさん料理長が私たちに言う。いくつも設置された円形のテーブルには美味しそうな品々が乗せられている。今まで食べることなどできなかった品々だ。

この世界では食べ物はなんでも異常に高い。こんな豪華な賄いを逆に毎日食べているだなんて、高待遇すぎる。

「うちはシェリネスがグルメだから、そのお陰で店員も美味しいものを食べているのよ。明日から仕事の説明するから、今日は思いっきり楽しんでね。それじゃあ」ハッとして料理から顔を上げると、信じられない光景が目に飛び込んできた。ものすごい数の人、人、人。ざっと1000人は超えていると思う。もうフェリは人混みに紛れて見えないが、どの店員も優美なシルエットの服に身を包み、容姿端麗なものばかりである。トレーリンはその中でも一際美しく目立っているというのに、鏡を見たことがない彼女は気後れしてしまったようだ。少し俯いて開会の合図を待つ。ちなみにおじいはここにメニとして雇われていると言ってもここの店員ではないので、フェリと顔合わせした後はどこか下宿先を探してもらったようだ。つまり、この会場には本当に彼女の味方はいなかった。



「緊張しているのですか」あ、いやオジガエルがいた。彼の存在は5分経ったらすぐに忘れられる。ある意味すごい人だ。

「今なんか絶対失礼なこと考えていますよね」そうか。グルメなせいでこんなに豚みたいな体型になっちゃったのか。

「聞いてますか」あれ?でもフェリや店員の皆さんは同じようなもの食べてるのに動くマネキンみたいな役割があるからって、みんな痩せていてスタイルいいしな…。そうか、生活習慣の乱れとかだ!

「トレーリン!」

「シェリネスさん、何時に寝て何時に起きてますか?」

「は?ええと、10時に寝て6時に」

「あれえ?なんで太ってるんですか」

「知りませんよっ!」





「あ、フェリさんだ」

「皆様、本日お集まりいただきましたのはフェリネスと一緒にそこにいる少女、トレーリンを雇ったパーティーのためです。長ったらしい挨拶は省略!皆様ぜひお楽しみくださいませ!」

そこからはもう何が何だかわからないほどのお祭り騒ぎ。さすがに踊れる人はいないみたいで、談笑が主だった。

「トレーリンさん、こんにちは」

「トレーリンか、また綺麗な子が入ってきたね」

「トレーリンちゃんねぇ!これからよろしくぅ!」いや、男だよな!?




「トレーリン、よろしくね!私はミュナ!ミューでいいよ」おっ。この子は普通そうだし、年は一つしたかな?人懐っこそうで仲良くなれそうだ。

「人がたくさんきてまだご飯食べてないんじゃない?食べようよ」

「わあ、ありがと」いつの間にかオジガエルはいなくなっていた。思う存分食べるぞー!

食べたい分だけ持ってきて席に着くようだったので、私は近くにいた30代くらいの男性を参考にして量を取る。彼細いし、それより少し多いくらいなら浮かないだろうと思っていたが…


「なんて量持ってきたの!?」

「ダメだった?」

「ダメじゃないけど…すごいね」

「でしょ。ちょっと少なすぎるよね」

「いや逆!」

「ふぇ?」

「多すぎるよ。まあいいや。いただきまーす」みると、彼女の量は私の五分の一にも満たなかった。

「そんなんだから不健康なまでに痩せてるんだよ」

「トレーリンも同じ体型だけど…」

「私メノだったから。」

「ウッソ!かわいそうに。何かあったらなんでも言って。」

「うん。ありがと。じゃあ、友達になってくれない?」

「もう友達だよ〜」頭を撫で回される。おかしい。私の方が年上のはずなのに。まあいいや。

はむっ

「美味しい」その時のレイティーンの顔は、パーティー会場にいた人々を男性女性関わらず魅了した。唇は見たことのないような完璧な弧を描き、瞳はやさしくほそめられ、ほおはピンク色に色付いて蒸気していた。今彼女の前に山盛りの『鶏肉とじゃがいものハーブロースト』と『クリームチーズのサラダ』、『バゲット』さえなければ恋する乙女の絵画になっただろう。ジャガイモがなければ。

「本当に美味しいわ!鶏肉の柔らかさとじゃがいものほくほくかんをハーブがうまく先導しながらまとめ上げている!そこにクリームチーズが濃厚ながらもさっぱりとしているサラダが最高だわ!バゲットに鶏肉から出た肉汁をつけて食べると言うこの背徳感が食事の価値を最大限まで高めた形で提供してくれているのは言うまでもない!」

「あっという間に無くなっちゃった…。トレーリンには大食いの才能があるわ…。そうだ、トレーリンのことはリンって呼んでいいかな?」

「好きに呼んで!今お腹いっぱいですっごい機嫌いいから!」

「おっおう。じゃあデザートはいらない?」

「いるぅ!」



「これはまたさっきのサラダをまとめ上げるようでいておいしさを提供してくれるデザートね。繊細でいて滑らかなムースは、うっかりしてると口から消えて無くなっちゃいそうなのにクリームチーズの仄かな酸味とミルクのコク、後から来るのは蜂蜜のまろやかな甘味で、これが全体を包み込んでくれてるわぁ。こんなに美味しいデザートがあったなんて、料理長天才ね!」

遠くからでもはっきり聞こえるように大きな声でそう叫んだトレーリンの満面の笑顔に料理長の心臓がうち抜かれ、彼は美味しい料理を作り続けることを決心したのだった。

一言でも感想お寄せくださると嬉しいです!

例:料理食べてみたい  などでも!

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