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ギャルとオタク、待ち伏せする

 ギャルとオタクが、別行動で情報収集を行い始めて、二ヶ月が過ぎた頃、ギャルが新しい情報を持ってきた。

 親が議員の職についている生徒がいるらしい。名はマジメと言う。

 さっそく、ギャルとオタクはマジメに会うことにした。


 下校時、ギャルと共にマジメを待ち伏せし通学路で接触を試みる。

 先生との話合いの後からギャルの服装は変わっていた。スカート膝下になり、イルカのイヤリングも付けていない。髪の色も完全に黒である。


 オタクは自分の行動が正しかったのか振り返ってみる。実際にやっていることと言えば、上位の存在、自分たちの監督者には逆らはず、ルールに従ってるだけ。簡単に言えば、先生に上手に言いくるめられただけなのかもしれない。


 ギャルは話合いの後、「ありがとう」と、言ってくれた。でも、実際には信念を曲げる理由を与えただけに過ぎないのかもしれない、という不安がある。ありがとうに報いるだけの行動を、結果を、校則が変更出来なければ、結果がなければ意味がない。

 すっかり変わってしまった、ギャルの姿を改めて見る。

 完全に清楚系である。これはこれで可愛いのだが……見ているだけで悲しい気分になった。

 

ギャルがオタクの肩を軽く叩き、小さく人差し指を向ける。

 「おい、オタク、あの子だ、あの髪の長い子」

 遠くにマジメを発見、友達と思われるショート髪の子と共に二人で歩いて下校している。長く腰まで髪のある方がマジメらしい。

 「じゃあオタクはここで待っていて、少し話してくるから」と、ギャルはオタクを置いて行こうとする。

 「えっ、何で? 俺は一緒じゃないの?」

 「オタクが居たらキモいからダメだめだっつーの、相手は女の子だぞ」

 「えっ、何? 俺、居るだけでキモいの?? ひどくない? その理屈だと俺の隣にいるギャルは女の子じゃないね」

 「なんだと、喧嘩打ってんのかテメー」と、ギャルはキレた素振りを見せる。

 「怖っ、見た目は清楚になったのに、中身はギャルのままだな」

 「オタクも、ゲームを持っていないから、オタクじゃなくてただの貧弱男だな」

 オタクはギャルの煽りを真に受けて、

 「もういい、怒った、俺がただの貧弱男じゃないって所、見せてやんよ」

 そう言ってマジメに向かって駆け出した。


  俺のギャルゲーで培った恋愛テクニックで、マジメと仲良くなってやるぜと、オタクは意気込みながら、

「へい、子猫ちゃん、元気かい」と、マジメに声を掛ける。


 「えっ」と、マジメは小さく悲鳴みたいなものを漏らしながら、目を見開いてオタクを見た。

 隣にいる友達とヒソヒソ話し始める。

 「ちょっとやばい人来たじゃん逃げよ」と、マジメの友達が言い。

 「うっうん、そうだね」とマジメが返して、二人が駆けだそうとした瞬間に――


 ――ギャルがオタクにのみぞおちに鋭い左フックを入れた。


 「ごめんね、このバカが失礼しちゃって」

 タハハハと、から笑いして後頭部を左手で抑えながらギャルが言う。

 唖然と二人はギャルを見つめる。


 「おい、ギャル、みぞおちは、あかんやろぉ」と、オタクの悲痛の声が響く。

 ギャルは説教するように、

 「オタク…お前なぁ、女の子の扱い下手すぎだろ。ちびまる子ちゃんに出てくる花輪君みたいな声の掛け方するなよ」

 「俺の知識が間違っていたと言うのか?」

 「間違いだらけだよ、女の子の反応をちゃんと見なさい、ばか」 

 

 「あのー、ギャルさんですか?もしかして?」とマジメの友達が少し驚いたような声を出す。

 「そうだよ、あってるよ」とギャルが返す。

 「あっじゃあ、隣の男性はモヤシさんですね」と、断定するように、マジメの友達が言い。

 「えっ、何、もやし?俺が?」

 オタクは、何が言われているか分からず、質問で返す。

 「はっ……失礼しました、舎弟さんの方がよかったですか?」と、マジメの友達が言い。

 「舎弟? どういうこと?」と、オタクはちょっと切れ気味で、疑問を投げかけ、

 「んー……これも違うのか」と、マジメの友達は顎を触りながら首を捻り、「あっ 分かった、マッチ棒だ」と言い切った。


 「おい、そこのショート髪のあまちゃん野郎、なめてんじゃねーぞ、お前の髪の毛に火ぃ付けたろか!!」と、マジメの友達の煽りにぶちギレたオタクが近づこうとしたその時、ギャルに襟を掴まれオタクは前に進めなくなった。


 ギャルは暴れるオタクを抑えながら、少し低めの声で、

 「君、私のオタクのことめっちゃ煽るね、初対面なのに」と言い、観察の眼差しを向ける。


「私のオタクって、ギャル……カッコいい」

 オタクは両手の指を絡ませ祈るようなポーズを見せながら目をウルウルさせ言った。


 マジメの友達は頭をポリポリ掻きながら、

 「いやー、ギャルさんとオタクさんでしょ、全然私達から見たら初対面じゃないので、ちょっと調子に乗っちゃいました、すみません」と謝った。


ポイントが100を超えました。とても嬉しいです。

これからも励みます。

感想なんて、欲しいんだからね!!(切実)

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