ギャルとオタク、関係性について話し合う オタクがギャルにセクハラする
休み時間、ギャルがオタクの机に座る。友達がギャルの席に座っているため俺の机に座るのだろう。
目の前に制服と尻とスカートがアップで映し出されいる。
特筆すべきものはその背筋の美しさだ、自信からくるものなのか、体幹からくるものなのかわからないが、オタクはギャルのピンと伸びた背筋が好きであった。
背中を少し突っついてみる。ノールックでパシッと手を叩かれ、振り返りギッとにらまれた。しかしギャルはオタクの机に座ることをやめない。
もう一度突いてみる、次は横腹だ。人差し指に柔らかな感触を感じた。
ギャルは素早い動きでオタクの人差し指を掴みひねる。すごく痛い。左手でタップをする、ギブアップを表明した。
ギャルは手を放して、手を三回払った。あっち行けとの意味だろう。
「なにしてんの?」とギャルの友達が声を出した。
「なんでもないよ」とギャルは笑って返した。
「ギャルとオタクって仲良いよね、付き合ってるの」
「付き合ってないよ」
「へー、まあいいけど、なら今度合コンあるけど来る?」
「えっ、どうしよっかな?」
ギャルはオタクをちらりと見た。俺にどうしろと?
「あーいま顔色伺った、あやしー」
ギャルの友達はからかうように話す。
俺はこの会話に入っていいのだろうか、入るとして何を話すのだ?
ギャルが合コンか、困ったな、俺はどういうポジションで話をすればいいのだろうか。
止めてもいいのだろうか、好きだと何回も言っているが、いつもおふざけ半分で話している。いや、ごまかしていると言っていいだろう。
しかし、俺は今の関係に満足しているし、前に進みたいと思ったこともあまりない。彼氏彼女などという、口約束にどこまで拘束力があるのだろうか。
もし、拘束力があったとして、ギャルが縛られるような玉ではないのは十分に理解しているし。
俺自身、何かに縛られるのは嫌いである。
オタクは言った。
「俺とギャルの関係って、どの言葉で表せばいい」
「ちょ、なに、いきなり」とギャルは焦った声を出す。
「いや、そこのギャル友達が聞いたじゃん、彼氏なのって」
「えっ、オタクめっちゃしゃべる、うけるんですけど」とギャルの友達は言った。
「普段ゲームばっかりしてるくせに、ギャルとは話すんだ、ふーん」
「ちょっと、意味深なこと言わないでよ、別にただの友達だって」
ギャルは、とても冷静な声で話す。
ギャルがいきなり冷静な声を出すときは、焦っている証拠だとオタクは知っていた。
これは、からかうしかあるまい。
ギャルの横顔が見える。スカートから出る足は右に向かって垂れていて、空中でぶらぶらしている。
「ただの友達?!! 私にあんなことまでしておいて」とオタクは自分の胸を抱いて、いきなり言った。
「いや、何もしてないだろ」
「人類が敵になっても私はオタクの味方だよって、言ったじゃない」
「どんな状況だよ、言ってないし」
「私あなたの好きな食べ物が、唐揚げって知ってるわよ」
「いったい、なんで今その情報を言おうと思ったんだ?」
「今度、お弁当の唐揚げ欲しいって言ってもあげないから」
「それは、シンプルに悲しい」
「あげたとしても、中に火が通ってないやつよ」
「お腹壊すから、それはやめて」
「ざまぁ」
「なんなん、こいつ」
「ドュクシ」とオタクは腹を突いた。
「お前な、さっきから、それ、高校生女子にやるとか、シンプルなセクハラだからな」
「じゃあ、逃げればいいじゃないか、なのに近くにいるのは、やってほしいからだろう」
「違うわ」
「ドュクシ」とオタクは突いた。
「ドュクシ」
轟音、風でオタクの前髪がなびいた。ギャルのヒットマッスルを効かせて放ったドュクシは、オタクの顔横をすり抜けた。
全く見えなかった、目の前に死が見えた、逆らってはならない、本能が訴えていた。
「次は当てるからな」とギャルは高らかに宣言する。
オタクはドュクシをやめた。
「俺、ギャルの尻に敷かれている未来しか見えないわ」
「私の尻になら、敷かれたいだろ」
「……めっちゃ仲良しじゃん」
ギャルの友達は呟いた。




