twin love
香川に付き合えないと、言ったものの、内心、香川と琉聖にドキドキしている自分がいて、気持ちがわからなくなりかけていた桃香ー。
でも、突然、香川にキスをされて琉聖に目撃されてしまった桃香だったがー。
琉聖の態度にも変化が表れ、桃香の恋の行方はー!?
告白しておいて、違う男の子とキスしてるところを見られるなんて……。琉聖君に、どう思われただろうー。
「あ、あの。ち、違うの……。こ、これは、香川君が……」
あたしは、慌てて説明しようとしたけど、上手く言葉が出ない。
「ごめんー、高瀬から聞いて、様子を見にきただけでー。邪魔するつもりはないから……。あと、高瀬から鞄、預かってきた」
琉聖君は、冷静な態度で、あたしに鞄を渡した。
「あ、ありがとう……」
あたしが、鞄を受け取ると、琉聖君は保健室を出て行った。
「……」
琉聖君にとっては、あたしが誰とキスしてようと、気にもとめてくれないのー?
朝陽さんがいるからー?
翌日の朝は、珍しく、教室に一番のりで登校した。
昨夜は、なかなか眠れず、結局は朝になっちゃった……。
琉聖君、きっと、誤解してるかもしれない。
でも、誤解していたとしても、琉聖君には関係ないことかも知れない……。
そんなことを思っていると、琉聖君が教室に入ってきた。
「琉聖君。おはよう……」
まだ、誰もいない教室で、あたしは、勇気を出して挨拶をした。
「……おはよ」
琉聖君は、すぐにあたしから逸らした。
え……?
いつもなら、もう少し会話があるのに、今日はそれがない。
会話がないまま、その後、ちらほらとみんなが登校して来た。
昨日、保健室では、あたしがキスしていたって、普通だったのに……。
琉聖君が、話があるって言うのに、いつまでも逃げているから、怒ってるのー?
「桃香、おはよー」
いつの間にか、由羽が教室に来ていた。
「おはよー、由羽」
「どうしたの?ぼーとしてー。まだ、具合悪い?」
「ううん。具合の方は大丈夫なんだけど……」
あたしは、横に座っている琉聖君をチラッと見る。
『どうしたの?何かあったの?』
あたしが、琉聖君を気にしていたものだから、由羽が小声で聞いてきた。
「由羽、ちょっと来て!」
席で話すのも気まずくて、あたしは由羽を廊下へ連れ出した。
そして、昨日のことと琉聖君の態度のことを話した。
「一番の問題は、香川君とキスしたことかもねー」
「え……」
「だって、自分に告白した相手が、他の男の子とキスしているところを目撃したんだよ?動揺もするんじゃないかなー」
「……」
由羽が言っていることが本当だとしたら、どうして、昨日は,あんなに冷静だったんだろう?今日は、あの態度だしー。
あたしが、告白したから、少しは意識してくれていたのかな?
琉聖君の様子がおかしいまま、2、3日が過ぎていった。
今朝は、いい天気だったのに、帰りは厚い雲に覆われて、雨がしとしとと、降り出していた。
「傘、忘れた……」
窓の外を眺めながら、立ち往生していた。
「桃香。一緒に帰らないか?」
香川君が、あたしのところ来た。
「ごめんー。由羽と帰るから……」
あたしは、チラッと由羽を見た。
「ごめん!桃香ー。今日、バイトが入っちゃって、一緒に帰れないの」
由羽は、両手を合わせて謝った。
傘に入れてもらおうと思ったのにー。
「帰ろうぜ」
まだ、返事もしていないのに、香川君に腕を掴まれた。
「ちょ、ちょっと、待って!」
あたしは、困った顔で、香川君の手を払いのけようとした時だった。
「やめろよ。宮崎が困ってるだろー」
隣の席で帰りの支度をしていた琉聖君が、あたしの肩を抱いて香川君から離れさせた。
「お前には、関係ないだろ?」
香川君は、ムッととしながら、琉聖君を睨みつけた。
「関係あるー。俺と帰る約束したから……。行こう、宮崎!」
琉聖君は、あたしの手を引いて、教室を出た。
「あのー。琉聖君、嘘までついて助けてくれて、ありがとう……」
あたしは、素直にお礼を言う。
「……別に、嘘ついたわけじゃないから」
「え?」
「本当に一緒に帰らないか?」
琉聖君に、真っすぐな瞳で見つもられて、あたしは小さく頷くことしかできなかった。
しとしと雨が降る中、琉聖君の傘で、肩を並べながら歩いて行く。
「宮崎ー。端っこすぎると、肩が濡れるぞ」
琉聖君が、あたしの肩を抱いて引き寄せた。
ドキンドキン……
どうしよう、ドキドキが止まらない。聞こえちゃうよー。
心臓の音が、雨の音で消されればいいのにー。
香川君にもドキドキして、自分の気持ちがわからなくなったけど、今ならわかる……。
安心するようなドキドキ感が琉聖君にはある。
やっぱり、琉聖君が好き……。
「こんなところ、朝陽さんに見られたら……、勘違いされちゃうね」
あたしは、ぎこちなく苦笑いをする。
「勘違いされても、俺は構わないけどー」
琉聖君の言葉に、あたしは、思わず振り向いた。
「美玲とは、るー。俺と帰る約束したから……。行こう、宮崎!」
琉聖君は、あたしの手を引いて、教室を出た。
「あのー。琉聖君、嘘までついて助けてくれて、ありがとう……」
あたしは、素直にお礼を言う。
「……別に、嘘ついたわけじゃないから」
「え?」
「本当に一緒に帰らないか?」
琉聖君に、真っすぐな瞳で見つもられて、あたしは小さく頷くことしかできなかった。
しとしと雨が降る中、琉聖君の傘で、肩を並べながら歩いて行く。
「宮崎ー。端っこすぎると、肩が濡れるぞ」
琉聖君が、あたしの肩を抱いて引き寄せた。
ドキンドキン……
どうしよう、ドキドキが止まらない。聞こえちゃうよー。
心臓の音が、雨の音で消されればいいのにー。
香川君にもドキドキして、自分の気持ちがわからなくなったけど、今ならわかる……。
安心するようなドキドキ感が琉聖君にはある。
やっぱり、琉聖君が好き……。
「こんなところ、朝陽さんに見られたら……、勘違いされちゃうね」
あたしは、ぎこちなく苦笑いをする。
「勘違いされても、俺は構わないけどー」
琉聖君の言葉に、あたしは、思わず振り向いた。
「美玲とは、ただの幼なじみだから。それに、あいつには、他校に彼氏もいるし」
琉聖君は、他人事のようにあたしにそう言った。
ただの幼なじみ……。
本当に、そう思ってたのー?
琉聖君の方は本当は……。
「い、一緒にいることが多いから、てっきり、朝陽さんと付き合っているのかと思ってた……」
「つい、最近まで、彼氏とケンカしていて、相談にのってたから、一緒にいることが多くなっていたのかも」
「宮崎こそ、俺に告っといて、香川とキスしてたけど、あいつとはどうなんだよ……?」
琉聖君は急に、ムッとした顔で言う。
「どうって……。無理やりキスされただけで、香川君とは何でもない……。どうして、そんな機嫌悪い顔するのー?」
この2、3日も、そうだったけど、これじゃ、まるで……。
「何だか、ヤキモチ、妬いてるみたい……」
あたしは、ボソッと呟いた。
「……!?」
あたしの言葉に少し、驚いた琉聖君の横顔が、何だか照れてるように見えた。
「本当に妬いてるの……?」
琉聖君は、あたしの方を向くと、照れた顔で黙って頷いた。
「……!!」
あたしは、驚いて持っていた鞄を落としそうになってしまった
。
「保健室では、冷静に保っていたけど……。本当は、ショックとあいつへのヤキモチで一杯になってた」
琉聖君は、苦笑いをした後、
「あいつと寄りを戻したなら、俺に告ったのは、気の迷いなんじゃないのかって、そう思ったら……、宮崎に素っ気ない態度をとってた……」
琉聖君は、今まで想っていたことを全部打ち明けた。
「……」
琉聖君の話を聞いて、あたしの胸がキュンとする。
「ごめんー、独りでヤキモチ妬いて」
「ううん……」
琉聖君に、ヤキモチ妬いてもらっていたなんて、何だか嬉しい。
ちょと、待ってー。ヤキモチを妬いているってことは、琉聖君もあたしのこと……?
「まだ、告白の返事が有効なら、今からでも、返事してもいいかなー?」
「……!!うん」
眼鏡の奥で、琉聖君の真剣な瞳が、あたしを覗き込む。
「俺も、宮崎のことが好きだ!俺と付き合ってくれないか?」
琉聖君の返事に、あたしは、胸が熱くなった。
「もちろん、喜んでー!あはは……告白の返事なのに、何だか、琉聖君があたしに告ったみたいな形になってるね」
あたしは、思わず笑ってしまった。
「そうだな」
琉聖君も、つられて笑い出した。
それから、琉聖君は、あたしの顔をもう一度、覗き込んだ。
ドキンドキン……。
そんなに見つめられたら、何だか、こっちが恥ずかしくなってしまう。
「桃香ー」
琉聖君に名前で呼ばれて、あたしの心臓は、ますます速くなる。
琉聖君は、ゆっくりと、あたしの唇にキスをした。
琉聖君のほのかなミントの味がして、あたしは、ぼーとなってしまった。
「何だよ。ボケッとしてー。そんなに、あいつのキスの方が良かったのか?」
急に、琉聖君に聞かれて、あたしは、慌ててブンブン左右に首を振った。
「そ、そんなことないよー。香川君とは2回目のキスだったけど……」
「ふーん。2回目ねー」
あたしは、言ってから自分の言葉にハッとして慌てて口を抑えた。
「で、でも。あの時は、小学生だったしー。したことには入らないよ……」
あたしは、自分に言い聞かせるように言った。
「じゃあ、これで、今ままでの、あいつとのキスはチャラな」
そう言って、琉聖君は傘を傾けると、周りの人達に気づかれないように、何度もあたしに優しいキスをしたー。




