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第34話 新たな依頼

すいません。今回少し短いです。

 居間の真ん中に主役のように置かれているテーブル。

 その上にはカップうどんが1つだけポツンと存在し、蓋の隙間から湯気を上げていた。


ピピピピピッ


 スマートフォンのアラームが鳴り響く。

 その音に反応し、蓋を開けうどんを(すす)る。

 いつもと変わらない、味気ない味がした。

 遺産として残された一軒家でのいつもの食事風景、寂しさなんてとっくの昔に麻痺している。


「さて、学校行かなくちゃな」


 そして、またいつもと変わらない一日が始まる……







※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※





 窓から入る朝日の光が眩しい。

 たまらず目を開けると、そこは別荘の一室、隣にはミウがいる。

 昔の夢でも見ていた気がするが、よく思い出せない。

 あまり良い夢ではなかったようなので、無理に思い出そうとは思わないが…。


トントン


 ドアがノックされる。


「カナタさん、ミウさん。食事の用意が出来ましたよ」


 スラ坊の声に、俺はベッドから起き上がる。

 まだ気持ちよく睡眠中のミウを抱えて階段を下りていった。









 カダゴトと馬車に揺られ、俺たちは遠征の旅に出ていた。

 Eランクになっての初依頼は、スクレの村近辺に出現した魔物の調査だ。

 王都から南東へ向かってフォセットの街を介し、そこから東へさらに進んだ所にその村はある。

 元々はフォセットのギルドの依頼だが、どうやらあちらも人手が足りないらしく、王都ギルドに依頼が回された形だ。

 ある程度舗装された街道の周りには草原が広がり、そこから運ばれる自然の匂いに鼻をくすぐられる。

 この街道の先にはフォセットの街があるとのこと。

 花と緑に囲まれた綺麗な街らしいので、少し楽しみだ。


「たまには遠出もいいね〜♪」


 ミウが俺に話しかける。

 ミウは現在、馬車の窓から俺と供に景色を堪能中である。


「そうだね。たまにはね」


 俺もその景色を見ながら、すっかりくつろぎモードだ。

 ユニ助も今回はあまり飛ばして走ってはいない。

 まったりとした空気が馬車内を占領する。


「……ゆったりとした旅行は良いもの」


 ミサキもその空気に呑まれたようだ。

 思えば最近、何かと慌ただしかった。こんな時間もたまには良いだろう。





 あれから4日、俺たちはフォセットの街へと入る。

 ちなみにまったりしていたのは初日のみで、2日目からはユニ助に飛ばしてもらった。

 流石にあのペースでは、村にいつ着くかわからない。1日だけでもまったり気分を味わえたので良しとすることにする。

 街中は、いたるところに色とりどりの花が植えられていた。

 一角では、かなり広い土地を使った花畑も見受けられる。


「きれいだね~♪」


「うん、落ち着いたらもう一度来ようね」


 そんな話をしながら、俺たちは情報収集をする為、街のギルドへと入っていった。




「すいません。スクレの村の魔獣調査を受けたものですが、何か新たな情報が入っていませんか?」


 受付のお姉さんに聞いてみる。


「は〜い。ちょっと待っててね」


 分厚いファイルを取り出し、ページをめくり出す。


「う〜ん。特に無いわねぇ」


「ごめんね~」といった感じでお姉さんが答える。


「分かりました。ありがとうございます」


 お姉さんにお礼を言い、俺たちはギルドを出る。


「何もなかったね」


 頭の上から声がする。


「ああ、でも急いで行こう」


 ここからユニ助の足でも急いで6日はかかる。

 その間に何が起こるかわからない。

 俺たちはフォセットの街をろくに見ることもなく出立した。



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