第一話 奇妙な世界#10
自分一人になると一気に疲れが襲って来て、俺はベッドにダイブした。
予想以上にふかふかだ。こんな所にタダで住めるなんて、何てラッキーなんだろう。
「はぁー。向こうで不幸な事ばかりに会ってたからかなー」
ほんの少し、あちらの世界の事を思い出す。ほとんどが嫌な思い出だった。少しの良い思い出は、友達と過ごしている時しかない。
(あいつら、今頃どうしているんだろ。それより、俺はあっちで行方不明とかになってるのかな)
そんな事を不意に考えてしまったが、もうあちらの世界なんてどうでもいいことだ。
俺は今、この世界で生きている。
出会った人の運が良かったのかもしれないが、とても楽しい暮らしが送れそうだ。
だからもう、あちらの世界の事何て考えないでおこう。
「さてさて、それじゃあ何を考えようか」
そう言えば、白河雲雀。
気が強そうで苦手なんだけど、白ぎつねは不器用な女の子と言っていた。
綺麗な黒髪で、見た目はお嬢様。どちらかと言えばタイプなのだが、どうにも近寄りがたい。
「どうしよっかなー。喋ってみたい気はするんだけど…」
勇気が出ないと言うか何と言うか。男として情けないや。
「岬は絡み易いんだけどなー」
岬は何と言うか、お姉さんみたいで話易い。
しかも学生みたいな服装なので、この世界に来たばかりの俺にとってはとても親しみ易かった。
それに、岬はなかなか素晴らしいスタイルをしている。出る所は出ているし、引き締まる所は引き締まっている。
「あんなお姉さんがいたら、人生楽しいだろうなー」
そう言う点では、葛城憂も白ぎつねも負けてはいない。
白ぎつねは、あれで意外にスタイル抜群だった。よく見たわけではないが、かなりのスタイルの持ち主だろう。多少、弄られがすごいが。
葛城憂は無口だが、あれはあれで可愛いげがあると思う。動物好きだし、何よりもの静かな所が良い。
「白河雲雀も、あれくらい静かだったら美人で通ったのに……って、さっきから何言ってんだ俺は」
いまさらだが、自分の言ってきた事が恥ずかしくなってきた。
女の子ばかりに思考がいっていたので、臨也について何か考えてみる。
「臨也…か。何かあの人、不思議な感じがしたな」
そう。あの人だけ、何か不思議な感じがした。
白ぎつねへの積極的な絡みもそうだし、まず何よりあの人がリーダーっぽい。
(このギルドって、多分白ぎつねがリーダーだよな。まぁ、明日にでも聞いてみよう)
そろそろ睡魔が襲ってきた。思考が段々とおぼつかなくなる。目も重くなってきた。
(寝ますか)
毛布を頭から被る。今日は疲れているので、早く眠れる気がする。そして、楽しかったから変な夢も見ないで済むだろう。
段々と、段々と意識が遠退いてく。
……覚えているのはここまでだ。
第一話完結です。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます(=^0^=)
これからも頑張ります。
さてさて、登場人物紹介です。
★如月六斗
主人公。流星に打たれて異世界にやってきた少年。
どこにでもいる平凡な少年だが、年齢からは見えない様々な事を経験してきている。それが世界を嫌う理由にもなった。
現実世界で失った自分自身を探そうと思っている。
☆白河雲雀
気品溢れる黒髪の少女。どこかお嬢様のような雰囲気があり、近寄りがたい存在。
そのためか人付き合いが苦手。男の子と喋ると、緊張のせいで強く当たってしまう。
☆葛城憂
動物好きで大人しそうな少女。無口なのは緊張している証拠。華奢な体とは裏腹に、ものすごく大きな胃袋を持つ。パーソナルスペースが狭く、異性に対してあまり意識がない。
★砺波臨也
金髪のいかにも問題児そうな青年。見かけによらず計算高く、知能はである。
白ぎつねを困らす事が大好きで、いつも白ぎつね困らせては楽しんでいる。
六斗曰く、不思議な感じがするとの事。
☆和倉岬
スカートに白シャツと、学生のような格好をした女性。身長が高く、軽くウェーブのかかった髪に、17歳とは思えないほどのスタイル。お姉さん的存在で、後輩の面倒見も良い。
☆白ぎつね
髪も肌もすべてが真っ白な人間のような狐。耳と尻尾にはちゃんと痛覚がある。
お母さん的存在で、皆白ぎつねの家に居候している。問題児のイタズラには、いつも苦労しているもよう。




