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第83話 部屋にやってきた美少女の目的は一緒に風呂に入る事だった?

 そうか。どうにも記憶がないと思ったら、大浴場に置き忘れていたのか。

 ホント馬鹿だなー、俺は。


「なるほど。どうやら、お前の話は嘘でなかったようだ。疑って悪かった。ところで二〇三号室のカギがあったか覚えてるか?」

「ええ。ちゃんとあったと思います」

 じゃあ、昨日の時点では赤月が持っていたんだな。

 問題はこっからだ。


「分かった。続きを聞かせてくれ」

「はい。それから私は、ただちにすざくさんの部屋へと向かいました。が、いくらノックしても出てくる気配がありませんでしたのでやむなく翌日渡す事にしたんです。しかしながら、カギの事自体すっかり忘れてしまいまして……」

 何だかいかにもコイツらしいな。

 おそらく、俺が赤月でも忘れてただろうが。


「で、結局どうなったんだ?」

「えっと、最終的にはカギの事を思い出し、お部屋が空いている時を見計らって引き出しにしまわせて頂きました。その時にタオルも添えておいたんです」

 これでようやくほぼ全ての辻褄があったな。

 やっとスッキリした。ただ、最大の謎は二〇三号室のカギの行方だ。

 はたしてどこにいってしまったんだろうか。


「そしていざ外に出ようと立ち上がった瞬間、うしろから星名先輩に声をかけられまして。話はカギの話題に」

 うわー。まさかの悪魔登場だ。

 もはや、嫌な予感しかしない。


「どうもカギを持ってないとの事だったのですざくさんの代わりに私が渡しておきました!」

 やっぱりかー。なんて事をしてくれたんだ、この小娘は。

 これじゃ、部屋に入れないじゃないか。


「よくも勝手なマネをしてくれたな。言っとくが、二〇三号室のカギは俺にとって大事なモノだったんだぞ」

「ごめんなさーい。でも、部屋の主がカギを持ってないのもおかしいと思ったのでつい差し出してしまいました」

 くっ。そう言われると何もいえない。

 というか元はといえば、俺がカギを忘れた事から全て始まってるのだから、ああだこーだ文句を垂れるのは筋違いだろう。


「まあ、それもそうだな。今回の件は――」

「さあ、話も一段落した事ですし、さっさと頼みを聞いて貰いますよ」

「な、何すんだ、お前は」

 赤月に無理やり手を引っ張られ、ベッドに座らせられる。

 

 たく。どんだけ強引なんだよ、コイツは。

 とても可愛らしい見た目からは想像できない。

 ひょっとして前世はゴリラだったのか?


「では、単刀直入に言わせて貰います。すざくさん、私とお風呂に入って下さい」

 すぐ真横に腰かけたかとおもいきや、赤月が衝撃の言葉を言い放つ。





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