第70話 どうしたー?ドS美少女が顔を埋めてくるなんて信じられない
「お前の言葉は実に喜ばしいが、わざわざオルガニスに入る必要なんてないんじゃないか? 何か特別なメリットがあれば別だが」
「利点ならあるぞ。普通なら入手し得ないあらゆる情報が手に入る。例えば違法業者の潜伏場所、構成メンバー、よく通う店など。これらは到底個人では得る事が出来ないだろう」
そうか。意外に役立つんだな。
少し甘く見ていた。
まあいい、次だ次。
「お前の言う通り、いろいろな情報が手に入るのは有益だ。しかし、戦闘経験の浅い俺なんかに何が出来る? きっと、足を引っ張るに決まってる。おもいきって他の人間を当たってみたらどうだ?」
「そのような人間はいない」
「バカ言うな。俺より戦闘に長けてる強者なんてごまんといるだろ」
「違う……」
突如としてイザベルの声が沈むと同時に表情までもが暗くなる。
おい。いきなりどうした?
いつも強気なイザベルのこんな顔は初めて見る。
もしかして禁句でも言ってしまったんだろうか?
言い知れぬ不安が心を覆い始めた次の瞬間、イザベルが俺の胸に顔を埋める。
えー。もう何なんだー。
ホントにコイツは俺が知っている鬼教官なのか?
すっかり頭が混乱しているが、考えてみればイザベルはまだ十七だ。
精神的に脆い所があっても不思議じゃない。
よって悲しむ事自体はごく自然と言っていいのだろうが、問題は俺が友達と発してから様子が
おかしくなった点だ。
こうなったからには、謝らない訳にはいかないだろう
「悪い。どうやら、気に障る事を言ってしまったようだな」
「いや。貴様は……何も悪くない。ただ、私には友達が一人もいないんだ」
顔を埋めたままのイザベルが力なく言葉を返す。
やっぱり友達という言葉がいけなかったようだな。
なら、せめてもの罪滅ぼしとしてイザベルを励まそう。




