第65話 美少女が着替えを始めました。
こ、これはどういう事だ?
全く訳がわからん。居ても立ってもいられなくなり、ロッカーの穴から外を覗いてみる。
すると、次々と教室へ入ってくる女子達が目に入る。
えー。嘘だろ……
ありえないにも程がある。
最悪な事に女子達全員が手さげバッグを持参している。
という事は、今から着替えを行うつもりなんだろう。
畜生。一体、何がどうなってやがる?
女子更衣室は五階じゃなかったのか?
「四階の更衣室もまあ悪くないけど、私は五階の方がいいわ」
「そんな事言ったってしょうがないじゃないの。教官曰く、五階は先日のモンスター襲撃事件の影響で破損がひどいとの事なんだから」
そうか……
そういう理由で旧更衣室であろう四階に来たのか。
やっと納得がいった。にしてもしかし、俺って運が悪いな。
なんでこんなタイミング悪く、ロッカーに隠れちゃったんだろう。
ついてねー。
ひとまず超小声で魔法を唱え、透明化する事に成功する。
一応は体が消えたから、万一ロッカーが開いたとしても見つかる心配はない。
限りなくリスクが低くなったと言えるだろう。
すっかり安堵していると、隣のロッカーにやってきた女生徒がゆっくりと上着を脱ぎ始める。
おー。なんて素晴らしいサービスショットだ。
顔こそ見えないが、黄色のブラがよく見える。
それに胸もかなり大きいぞ。こりゃ、たまらん。
「ちょっとー。永遠ったら着替え始めるの早過ぎ。まだ時間があるんだから、さっきの話の続きでもしようよ」
え?永遠?
もしかしてそれって花崎の事じゃないよな。
「だって時間があると言っても五分くらいしかないじゃない。話なんていつでも出来るんだから、別に今しなくてもいいでしょ」
花崎かもしれない人物が手を止め、言葉を返す。
「えー。あの話の続きを聞かせてよー。昨日から始まった同棲生活で男子生徒とはどこまでいったの?」
会話から察するにどうやら永遠というのは、花崎で間違いなさそうだ。
はー。よりにもよって知り合いが来てしまうなんて。
運なさすぎだろ。
「いきなり何を言うのよ。私達はお互いに惹かれあってる訳じゃないんだから、何もありはしないわ」
「またまたー。素直じゃないんだから。ホントは彼が気になってしょうがないくせに」
「フン。何バカな事言ってるの。いい加減からかうのは止めて。あんな奴なんてアブラムシ程度にしか思ってないわ」
「フフフフフフ。そう言ってる割には顔が赤いわね」
「な……もうぺスタとは話さない!」
「ご、ごめんー。永遠があまりにも可愛かったもんだから、ついかまっちゃったの。お願い。許して」
ぺスタなる人物が胸の前で手を合わせる。
へぇー。あいつは意外にいじられキャラだったんだな。
俺からしたら、ちょっと近寄りがたいような感じがするが。
「……分かったわ。許してあげる。けど、授業開始まであと二分三十秒位しかないから、着替え終えるまでお口チャックね。いい?」
「うん、うん」
「よし」
それから間もなく、花崎が着替えを再開し、スカートに手を伸ばす。
来たー!
ついに待望の瞬間のお出ましだ。
一体、あいつはどんなパンティーを履いてるんだろう?
期待が高まる中、いよいよ花崎がスカートを下に下し、紫色のパンティーが露わになる。
うわっ。凄えエロい。
セクシー過ぎて鼻血が出そうだ。
正にパラダイス。
というか何とも普通に見ちゃってるが、これはもう立派な変態行為じゃないか。
いかん、いかん。見てくれと言われてるならまだしも、コソコソ覗くなんて気が引ける。
即刻止めよう。以降は目を閉じ、時が経過するのをただひたすらに待った。
しばらくすると外から何の音も聞こえなくなり、代わりに授業開始のチャイムが鳴り響く。
おそらく、彼女達はどこへ行ったに違いない。
もはや、心配はいらないだろう。目を開き、そっとロッカーを開けながら外を見てみる。
案の定そこには人の姿はなかった。
フフ。思った通りだ。
逃げるなら今がチャンスだ。
と言いたい所だが、旧更衣室から出てどうする?
また隠れる場所を見つけなければならないんだぞ。
とても頭が痛い所だ。
ただ、再び彼女達が戻ってくるかもしれない事を考えるとそうも言ってられない。
一応は透明化している状態なんだから、姿が見えぬウチに隠れる場所を見つければ大丈夫だ。
ロッカーから抜け出し、教室の外へ出る。
さて、頭を働かせる時間が来たぞ。
残念ながら、四階は既に全滅だ。残る選択肢は五、三、二、一。
ハッキリ言ってどれも微妙だ。こんな時探偵のように妙案が思いつけばいいが、何かないかな。
うーん。おっ。ちょっと待てよ。
俺は今まで二階からなるべく離れた場所に身を潜めるべきと思ってたが、逆に保健室にいた方が
イザベルに見つかりにくいんじゃないか。
さすがのあいつだって俺があそこに戻ってくるなんて思ってないハズ。
そこを上手く付いて保健室に戻れれば。フフフフフフ。
なんて頭脳的な作戦なんだ。我ながらあっぱれだ。
さっそく実行といこう。




