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第38話 お前もか!

「は? なんで?」

「だって私が述べた事はまだ可能性に過ぎませんし、まだ一日分のライフも貯まってません。さあ、いきますよ」

「ちょ、ちょっと待て。キスする事に関してもう抵抗はない。だが、長いのなんて」

「フフフフフフ。その事については心配いりません。こんな事もあろうかと私はある書物に目を通し、極意を会得しました。ですので全てお任せを」

 

 

 何だ、そりゃ。

 いかにも怪しいじゃないか。

 正直はてしなく不安だが、知識がない以上は頼るしかない。

  

「分かった。くれぐれもお手柔らかにな」

「ありがとうございます。では、すざくさんは座って目を閉じて下さい」

「ああ」

 ふー。いよいよか。

 心なしか緊張してきたな。本当に大丈夫だろうか?


「さて、そろそろいきますよ」

 えー。もうかよ。

 まだ準備が出来てなーい。どうか、しばしの猶予を。

 赤月を制止しようと目を開いた瞬間、まるで唇を包み込むかのようにキスが始まる。

 

 な……

 なんてタイミングで。

 いくら何でもこんなの反則だろ。すっかり動揺しかけているが、こりゃ凄いな。

 互いの口が長い事触れ合っているからか、体温や興奮度合までもがじかに伝わってくる。

 ああ。体が熱くてしょうがない。尻上がりにボルテージが増していく一方、とてつもない息苦しさが体を襲う。


 やばい……

 まるで上手く息が出来ない。

 このままじゃ確実に死ぬ!何とか離れようとするも想像以上に体への締め付けが強く、試みはあっけなく失敗に終わる。


 ダ、ダメだ。全くビクともしない。

 おまけに視界までぼやけてきやがった。

 まさか、キスで昇天する羽目になるなんて。

 やっぱり俺はついてねー。終わりを悟った正にその時、奇跡的に赤月が数歩うしろへ下がり、キスが突如として終了する。

 

 プッハー。

 ギリギリ助かった……

 さすがに今回ばかりはアウトかと思ったぞ。

 それから何もせずに横たわっていると徐々に体力も復調し、通常通りに呼吸が出来るようになる。


 よし。もう大丈夫だ。

 一時は天国へと行きかけたが、大事に至らなくてよかった。

 正に危機一髪と言ったところだろう。にしても、赤月はどうしたんだ?

 さっきから全然声が聞こえてこないぞ。

 もしかして俺みたく倒れてるんじゃ。

 いやいや。あんだけ自信満々だった奴が床にへばりついてる訳がない。

 きっと静かなのは、気を遣っての事なんだろう。

 であれば。健在ぶりをアピールする為、勢いよく立ち上がる。

 が、まもなく斜め前方で横たわる赤月の姿が目に入る。


 えー。思わず目を疑う光景だぞ。

 ひょっとしてコイツは超絶バカなのか?呆れてモノも言えないが、もし天然娘がいなければ確実に大変な事態となっていたハズだ。ちょっとは感謝しなければ。そいや、ライフはどうなったんだろう?

 すぐさま腹を見てみる。


 ウッソー。七だった数字が一気に四十七に。

 という事は、キスが長ければ長いほどライフアップするとみて間違いなさそうだ。

 フッフッフッフッ。やった。とりあえずかなり不安が払しょくされたぞ。

  

「……すいません。手を貸して頂けませんか? 気持ち悪くて立つ事も出来ません」

 おっと。殊勲者の事をすっかり忘れていた。

 時間も時間だし、そろそろ外へ出るか。赤月を抱き抱え、ひとまず隣の脱衣所まで運ぶ。

 そして様子を見る見守る事三十分。

 台の上でぐったりしていた赤月が自力で立ち上がる。


「どうやら少しは、よくなったみたいだな」

「はい。お陰様で。ところでライフは?」

「四十七になったぞ」

「フフ。ちょっとは頑張った甲斐がありましたね。非常に嬉しいです。ただ、何が起こるか分からないのが人生です。念の為、もう一回熱いのをしますか?」

 




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