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第37話 腹に刻まれた数字が変化している

 はー?何してくれとんじゃ、コイツは!

 もしや、また冗談でも言ってるのか?

 いや。さっきの状況から考えるに嘘を付いている可能性は限りなく低い。

 くっそ。まんまとファーストキスを奪いやがって。

 絶対に許さんぞ!

  


「おい。よくも勝手な事を。一体、どういうつもりだ? 俺は自分からキスしようと心を落ち着かせている最中だったんだぞ。なのに、お前ときたら」

「すいません。すざくさんが目を閉じたままなかなか開かないものですから、てっきりされるのを待ってるのだと」

 このアホが。そもそも待つとほざいたのはお前自身じゃないか。

 何血迷ってんだよ。と言いたい所だが、もたついていたのは紛れもない事実だ。

 これ以上責めるのは止めよう。 

 

「もういい。お前も悪いと思ってる――」

「あー」

「何だよ。急に」

「ちょ、ちょっと。数字が変化しています」

「何?」

 ホ、ホントだ。三から五に変化している。

 まさか、やってすぐ上がるなんて驚きだ。

 

 

「増えてよかったですね。私もちょっと安心しました。ただ、ライフに関してはまだ不確かな部分が多いです。試しに今一度キスを行ってみては如何でしょう?」

 


 どうやら、コイツも同じ事を考えてたみたいだな。

 そりゃ、何度も口付けするなんて不謹慎極まりない事だ

 だが、目の前のチャンスをみすみすふいにする余裕は俺にはない。

 


「いいだろう。じゃあ、さっそく」

「はい」

 ふー。いよいよ運命の時が来たか。

 緊張で体が震えるが、必ずやり遂げてやる!

 すぐさま赤月の肩を掴み、およそ一秒間のキスを行う。


 や、やった。

 ついに自分から女の子と。

 まるで夢のようだ。


「あー。また」

「まじか」

 見てみると、七と書かれた数字が目に入る。

 

 という事はつまり、一秒行うと二増えるんだろう。

 だいぶ分かってきたな。フフフフフフ。何だかだんだんいける気がしてきたぞ。

 もはや、恐れるモノは何もない。くっくっくっくっ。

 

 あれ?でも、待てよ。確か、一日は二十四時間だよな。

 対して一回のキスで増えるライフは二。すなわち、一日分貯めるには十二回も。

 なんてこった……

 

「どうしたんですか? 顔色が悪いですよ。ひょっとしてキスが原因ですか?」

「違う。そうではない。ただ、一日十数回もキスしなければならないと思うと頭が痛くてな」

「なんだ。だから、落ち込んだ顔を。気持ちは分からなくはないです。でも、よく考えてみて下さい。一秒で二ライフ増えたのなら、二秒で四、三秒で六増える可能性もある訳ですから、希望を捨ててはいけません」

 


 まさか、コイツに励まされるとはな。

 ちょっと意外だ。しかも、バカっぽい割に頭もキレる。見直したぞ。


「フン。言われるまでもない。俺は決して諦めない男だ」

「なら、早く長いキスを済ませてしまいましょう」 

 



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