第21話 美少女二人がさっそくケンカを始めているじゃないか!
何だかもう案内しなくて良さげな雰囲気となってしまったな。
ま、俺としてはそっちの方がありがたい訳だが、他はどうなったんだろうか?
各部屋を覗いてみると、二〇三号室を真剣に物色している二人が目に入る。
どうやらまだ決まってないみたいだな。
こりゃ、長引くかもしれないぞ。暇つぶしもかね、二階隅っこにあるトイレへ向かう。
しっかし、A子の奴可愛かったなー。
今日からあんな美少女と生活出来るなんて。フフフフフフ。
想像しただけでテンションが上がってくる。
用を済ませ、再び廊下へ戻るとB子とC子が激しく睨み合っている光景を目の当たりにする。
な……
もしかして喧嘩か?
「おーい。どうした?」
「…………」
くっ。見事に返答はなしか。
あー。腹立つ。
本来なら一言くらい文句を言ってやりたい所だが、喧嘩真っ最中の状況では何をされるかわからない。
ひとまず今は動向を見守るとしよう。
「私が先に二〇二号室がいいと宣言したハズです。なのに、あとからガミガミガミガミ」
なんだ。部屋決めで揉めていたのか。
なら、割とすぐに収まるかもしれないな。
「誰が早いもの順とぬかした? そんな事はコイツも口にしてないぞ」
こ、こんにゃろー。仮にも家主に向かってなんて生意気な。
というかそもそも、どこも大して変わらんだろうが。
揉める意味が分からん。と普通なら思う所なのだが、なぜかこの部屋を見ていると不思議な愛着が湧いてくる。
うーん。全くもって謎だ。
二〇二号室など普段からよく……
あー。しまった。
すっかり忘れてたが、ここは俺のマイルームじゃないか。
どうりで変な感じがした訳だ。どうしよう?
今更真実を告げた所で二人が納得するハズないぞ。
はー。紹介してしまった以上はどちらかに譲るしかないだろうな。
無念だが、しょうがない。
「いいですか。しっかり聞いて下さい。ごくごく世間一般の常識から考えれば、先に手を上げた方が優遇されるのが当然なんです。後から来た人はどうか他を選択して下さい」
「そんなルールがあるとは初めて知った。それはお前が妄想の中で作った話なのではないか?」
「違います。私はくだらない事が大嫌いです」
「何をバカな。思考を巡らす頭もないくせに」
「な、なんですってー」
おいおい。いつまで喧嘩を続けるつもりだ?
いい加減どっちかが引けばいいモノを。さすがにこれじゃらちがあかない。
「上手くまとまらないなら、もういっその事じゃんけんで決めたらどうだ?」
「なるほど」
おっ。ようやくB子がこっちを振り向いたぞ。
「フフ。なかなかの名案だろ?」
「分かりました。いつまでも平行線では、いくら時間があっても足りませんからね」
とりあえず片方は賛成みたいだな。
よかった、よかった。だが、C子はどうなんだろう?
明らかに不快そうだが。
「オッケーだ。たとえ相手が誰であろうと負けはしない。私はじゃんけんの王様だからな」
いきなり何を言い出すんだ、コイツは。
もしかして相当バカなのか?
「じゃあ、さっそくやろう。最初はグー」
勝負を行った結果、B子がグー、C子がチョキを出し、一応の決着が付く。
何が王だよ。クソ弱いじゃないか。
全く聞いて呆れる。が、やっと白黒ついたな。
さっそく勝者に鍵を手渡す。
「ありがとうございます。今後ともどうかよろしくお願いします」
何ともあどけない笑顔を見せながら、B子は静かに中へと消えていった。
か、可愛い。
笑った顔を初めて見たが、平然としている時とはまた違った良さがある。
こら、たまらんな。やっぱ女の子は最高だ。
さ、気分がいいウチに最後の部屋決めに移るとするか。
勢いよく振り向くも、C子にエラい形相で睨まれる。
な……
もしかして八つ当たりか?
ざけんなよ、コラ!だいたいさっきから。
あー。やめだ、やめ。不平不満を漏らしても、問題は一向に解決しない。
今は気持ちを抑えて目的達成の為に頑張ろう。
歩み寄ろうとした瞬間、突然C子が猛スピードで走りだし、二〇三号室へ入ってしまう。




