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最弱勇者と万能メイド  作者: 浮遊する生物KURAGE
第2章 懐かしの味を求めて
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番外編 決意と不安(ピアナ)

ピアナ目線の物語は……あれ?初めてでしたよね?

兎に角、ピアナ目線の短い物語となっております。

行っちゃった。

私は引き留めたい思いをぐっとこらえて2人を見送った。

それにしても、自分を大切に、か。昔のルルナだったら絶対に言えっこない言葉だなぁ。

ルルナも、ヒロミ君と過ごす内に変わって行ったんだろうな。……心の底から。私なんか彼に励まして貰っても、何にも変われなかったのに。


「はぁ……」


こうやって、離されていくんだろうなぁ。私も、変われたのかなぁ……。

けれど、2人に教えてもらった事は、忘れてない。それに、この心のあったかさも……。


「会いたい」


もう一度、今すぐにでも。2人とも、独り占めしたい。大好きな2人に。愛してる、2人に。

……でも、愛してるのは、2人だけなんだよね、多分。今はもういない父上を合わせても、たったの3人。だけど……。

ルルナに言われて、自信がついた。私を大切に思ってくれてる人は、それよりもずっと多い。

そして彼等の上に立つ者として、私も彼等を愛さなければならない。少しずつでも良いから、そうしないと、みんなが幸せになる事なんて、無理だから。


「愛を……」


注ぐんだね。今は私を単なる都合のいい存在だと思っている人は少なくない。彼等が提示した契約内容を確認しても、それはよく分かる。

けれど、ちゃんと使命を果たしていれば、みんな分かってくれる筈。だから……私も、頑張る。


「だけど……」


どうしても愛す事の出来なさそうな人が、1人だけいる。何故なら、彼女が私を憎んでいるから。

表面上の態度は愛そのもの。だけど、ちゃんとその憎しみは外に漏れて……いや、私にきっちりと向けられている。

私も出来る限り大事にしようと思ってる。だけど、伝わらない。それは……やっぱり、権力とか、そういうのが原因なのかな、とは思うけど、それでも割り切る事は出来ない。ちゃんと関係は本来あるべきものでありたい。

ましてや私は今や女王。会う機会こそ少なくなっているけれど、感じる憎しみは前にもまして強くなっている。


「はぁ……」


どうしたら良いのかは分からない。どうしたら、()()()と仲良く出来るのか……。

でも……。前に、ヒロミ君に慰めてもらったように、或いは、今日ルルナに教えてもらったように……そして、今自分が誓ったように。一歩ずつ歩んで行きたいと、そう思った。


「ふわぁぁあ」


眠気が私を襲う。いつもなら、まだ未だ書類の山と格闘していた筈の時間。だけど……。


「えいっ!」


私は思いっ切りベッドへと飛び込んだ。ふかふかなベッドの柔らかさが、大好きな2人の優しさのようで、自然と身体の強張りをほぐしていく。


「……おやすみなさい」


私は愛する2人へ……これから愛していくであろう国民や、セインへと、今日最初で最後の挨拶をし、温かくて優しい暗闇の中へ、意識を手放した。

もう、父上の夢も、重圧に潰れる夢も、見る事はなかった。

第1章と同様に、登場人物の紹介だけ済まして第2章を締めさせて頂こうと思います。

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