番外編 不思議な感情(ルルナ)
かなり短めです。ルルナ目線で書いたので、今までと少し雰囲気が違うと思います。
……いえ、前にも一度書きましたね、ルルナ目線。
はあ……。朝ご飯も、お昼ご飯もありませんでしたから、少し食べ過ぎてしまいました。
深夜、自室、ベッドの上。
中々寝付けないわたくしは、目を開けながら、ぼんやりと瞑想していました。
それにしても……最近、何だか自分がおかしくなってしまったように感じます。
それは何故か……今まで、決して自分自身の事ですら気に掛けなかったわたくしですが、最近は何故か他人の事を気にするようになってしまったのです。
「勇者様は……」
主人だから。主人の事を心配するのは当然のことでしょう。
……元々は、単なるイジる対象としか見ていませんでしたが。
「ピアナ様も……」
同様です。ピアナ様は今や王国を束ねる女王。一国民として、女王を敬うのは当然の事と言えるでしょう。
ですが……。わたくしは今日、セントレールの商店街での勇者様との会話を思い出します。
「何故……」
クルルさんの事など、気に掛けたのでしょうか。つい最近まで、彼女については、ただ目障りで追い出したい妖精、程度にしか思ってはいなかったというのに……。
いえ、原因などとうに分かってはいるのです。ゲオルグとの戦闘……わたくしだけでは到底どうにもならなかったであろう戦いを、己に力など無いと分かっている筈なのにも関わらず、自分の身を危険に晒してまでピアナ様とセイン様を救った勇者様……。
ですが、何故勇者様を原因として、わたくしの心に変化が生まれたのか、それが一切分からないのです。
正体が分からない物事は、とても心地が悪いものです。ですから、その正体を知りたいと思うのです。
「一体、どうして……?」
女神様、教えて下さい。このもやもやした感じは、一体何なのですか?あの頼りなさげな勇者様は、一体どのようなお方なのですか?そして……わたくしは、一体これからどのように生きていけば良いのですか……?
「……答えては下さらないのですか」
分かっていたことではありますが、やはり心地が悪いですね……。
とはいえ、自分で考えていても、きっと永遠に分からないのだろうという事は、ぼんやりと分かります。
「ふわ……」
思わず開いてしまった口に右手を添え、もうそろそろ寝なければ、と思います。
兎に角、わたくしの疑問に対する答えは、もう少し勇者様と長く過ごさないと分からないでしょう。
「おやすみなさいませ」
わたくしは誰にともなくそう言葉を発すると、意識を闇へと手放しました……。
あと登場人物紹介で、第1章を締めたいと思います。




