友達
「今度は人を撮ってみなよ」
幼馴染の真二は美桜に言った。
人かあ、いいかも、と美桜も思った。
でもとても難しいことだった。
知らない人は勝手に撮っちゃダメだ。
知ってる人は…すごく拒絶された。
学食で遠い目をする美桜。
「村田を撮ってればいいじゃん。
いいよって言ってるんだから」
ため息をつきながら、和美が美桜に言う。
「うーん…」
浮かない顔の美桜。
納得できないらしい。
「俺と和美も何枚かは撮ったでしょ。
だからあとは村田だけで許してよ」
大崎が優しく美桜を諭す。
段々さみしくなってきた。
「私、友達いないね…」
学校で人の写真を撮ろうと思っても
お願いできるのはこの三人だけ。
しかもそのうちの二人には断られた。
2~3枚撮ったら、もうダメだって言われてしまった。
村田はノリノリで写ってくれるけど、
村田ばっかり撮ってもなあ…
人を撮るのってむずかしい…
めずらしく落ち込んでいる美桜のために
一生懸命考える村田。
俺も友達いないから、紹介はできないけど
何とかならないかなあ…
あ、と、ひらめいた。
「美桜、鈴ちゃんは?
部室棟に行ってみようよ。」
そっか…!
美桜の顔が明るくなる。
今週はゼミがないから、この三人にしか頼めないと思ってたけど、
鈴ちゃんならサークルがあるから、来てるかもしれない。
「村田、ありがとう。行ってみる」
「俺もついていっていい?」
「うん」
二人は部室棟へ向かった。




