澪斗は身体強化が得意なようだ。
俺は、超魔術師に名前を聞き忘れたので、名前を聞いてみる。
「あたしは沙希」
「そうか」
沙希と少し話し、俺は沙希の造った亜空間から零斗達のいる空間へ戻った。
どうやったかは漢女の秘密に違いない。
これでも見た目は少女なもので。
「どこ行ってたんだ?零夜。」
「超魔術師の創り出した亜空間に行ってた」
「へー。澪夜なら不思議じゃないな」
あ、関係ないけど沙希はなんで俺が男だってわかったんだ?
少女の姿なのに。話し方か?
「澪夜、亜空間に何しに行ってたんだ?」
「そりゃ魔術教わりに」
「俺なんて初級魔術もまともに使えないのに、澪夜は超魔術師に教わるような魔術を……」
「いっそ身体強化型にしてみればいいんじゃないか?」
小説とかには魔力の使い方で魔術の他に強化系のやつがあった気が。
この世界じゃ解らんが。
「その手があったか!!」
あぁ、誰でもいえる名台詞。
とりあえず聞いてみよう。
「おーい姫様~。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「なんでしょうか」
「身体強化とかってどうやるの?」
「身体強化ですか?」
「うん」
「身体強化は、強化させたい部分に、魔力を込めることで、その部分が強化されるという技のことです。なので、練習すれば、使えるようになるんです。あ、魔術と身体強化は、得意な方と苦手な方がいらっしゃいます。なので、身体強化がうまくいかなくても、気にしないでください。超魔術師様、少し手に魔力を送ってみてくれませんか?」
そうなのか。
「ああ」
俺は結構な魔力を右手に送ってみる。
そして魔術で小さな石を創り出した。
もちろん石は尖っていると危ないので、丸いやつだが
「大地の石」
創った石を強化した手で力を入れて握る。
キシッ……
石には少しだけひびが入った。
それだけだ。結構な魔力を入れたというのに。
多分身体強化の使い方がなっていなかったんだろう。
「澪斗、やってみ」
俺は、魔術で石を創り出した。
「アース・ストーン」
「やるぜ!」
俺は無言で頷いてみる。
バキッ
石が粉々に砕け散った。強化してあるので零斗の手からは血なんて出ていない。
「すげ、やっぱ澪斗は身体強化系のがあってたんだな!」
「そうみたいだな。……魔術も使ってみたかった」
「大丈夫だ。使えないわけじゃない。努力すれば使えるようになるさ。俺は強化系を使えるように努力するよ」
「うん。俺頑張る!」
その後、澪斗は一生懸命に魔術の練習をしていた。
明日は剣を教えてもらいたいな。
澪斗も戦えるようになったかな?