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第9話 プロローグ【悪戯波と、釣り人の最期】(9)
「…………」
「どうした、新作?」
俺は鑑定結果を見つめ、それから隣の女神を見た。
「なあ、キュモポレイア」
「なんじゃ?」
「俺、Eランクなんだけど」
「うむ!」
「そっちはSランクなんだよな?」
「当然じゃ!」
「…………」
「…………?」
「……これ、俺が主人公の冒険だよな?」
キュモポレイアは、きょとんと首を傾げた。
「何を言うておる。当たり前ではないか!」
「じゃあ、なんで俺だけ最低ランクなんだよぉおおおっ!」
青い海に、俺の叫びが響き渡った。
こうして、女神に命を奪われた釣り人・藤原新作の、釣り竿一本から始まる異世界海洋冒険が幕を開けたのである。
――なお、このとき俺は、まだ知らなかった。
この女神が、俺の冒険を助けてくれる存在であると同時に、俺の人生をもっとも騒がしくする、異世界ラブコメに良く居る、《《駄目女神》》的存在でもあることを。
そして、俺の最初の釣果が、世界の海を揺るがす大事件につながることを。
これは、釣り人と悪戯女神が、世界の海を釣り上げる物語である。
◇◇◇




