第292話 パイラ視点
精霊に乗り飛び立った私たちは、いくつかの村や町を眼下に通り過ぎていく。
空からの景色はとても綺麗で普段見る事が出来ない高い場所からの眺めに、私もルルも夢中になっていた。
「わぁ、あの町すごく大きい!」
「うん……人がいっぱいいるみたい……」
「あれは~アルタニヤ王国の~王都ね~」
「へぇ~!」
リオヴィシア様が教えてくれた町を眺めながら、私たちはどんどん進んでいく。
そして、しばらく経つとフローラさんが前方を指差して、
「あれがレーナが住んでいる町、フォノンよ」
と言った。
私とルルは体を乗り出してその町を見る。
「あの町ですか!」
「おぉ~、あそこが目的地」
「大きな~建物が~出来て~いるわね~」
「あれは探索者ギルドですね、地球と繋がってから出来たはずですよ」
「へ~、そうなのね~」
フローラさんの説明を聞きながら町を眺めていると、リオヴィシア様が私とルルの方を向いて前方を指差して、
「町の奥に~森が~見えるでしょ~?あれは~魔の森よ~かなり~危険な~場所だから~気をつけてね~」
確かに町の奥には、空から見ても果てが見えない広大な森が見える。
深い緑に覆われた森は、上空から見ても何かが潜んでいそうな不気味さがあった。
「はーい!」
私は元気よく返事をした。
隣にいるルルは、魔の森を知っているようで、
「あれが魔の森ですか。聞いたことがあります。気をつけます」
と真剣な顔で言っていた。
そしてフローラさんが魔の森の近くで、町から少し離れている家を指差して、
「あれがレーナの家よ」
と言った。
町中にある他の家とは少し離れた場所に建っているその家は、他の家に比べて大きく、変わった作りをしていた。
「前に~来た時より~大きく~なってる~気がする~」
とリオヴィシア様が疑問を口にした。
「本当ね、横に新しい建物があるわね」
フローラさんも知らないようでリオヴィシア様の言葉に同意していた。
「何を~作ったのかしら~?」
「まぁ、入ってみればわかるでしょ」
家の前まで来て精霊がゆっくりと降りて地面に着地した。
フローラさんが精霊から降りたので、私もそれに続いて降りる。
地面に足をつけて、目の前にあるレーナさんの家を見上げた。
「大きい家ですね」
「立派な~お家ね~」
そして横を見るとすぐ近くに魔の森が見える。
「あの、さっきのリオヴィシア様の言葉で魔の森は危険と聞いたので気になったんですけど、そんな森の近くにレーナさんの家があって大丈夫なのですか?」
私は気になった事をフローラさんに聞いてみた。
フローラさんは特に気にする様子もなく、
「まぁレーナだから大丈夫よ」
とあっさりと答え、リオヴィシア様も、
「そうね~逆に~ここに~レーナちゃんが~住んでいるから~この町が~平和なのよ~」
と言っている。
「凄いですね」
「そうね~凄いわね~」
そんな会話をしながら私とルルが周りを見回していると、
「じゃあ、レーナの家に入りましょうか」
とフローラさんが言うと、家の門扉の柱に歩いて行き『ご用の方はボタンを押してください』と書いてある近くのボタンを押した。




