第174話 フィアメール
「もうすぐマリの放送が始まるのだ」
初配信当日、二十時から始まる『まきなつプロダクション新人初配信リレー』の一番手であるマリの初放送が始まる時間が迫っていた。
まきなつプロダクションの大々的な宣伝と先に作っていたチャンネル用のSNSアカウントでの告知、SNSで有名になっていたマリとカイトの初配信、ラキナ出身者による配信という話題性から配信の待機人数は早くも一万を超えていた。
昨日緊張しまくっていたフィアメールだったが、配信の時間に近づくにつれ緊張よりもやってやるぞという気持ちが強くなり緊張感は無くなっていた。
昔から夜会なども前日に「う〜」と緊張していたが当日はうまく出来ていたので本番に強いタイプなのかもしれない。
待機画面には『まきなつプロダクション新人初配信リレー』と書いてありその下にはカイトとマリとクラリーヌの写真が並び一番右にフィアメールのシルエットのみが映っていた。
先行してSNSでカイトとマリはアルタニヤ王国出身のSランク探索者、クラリーヌはアルタニヤ王国の皇太后と説明しており、魔族であるフィアメールはシークレット枠として写真はシルエットのみの発表になった。
先行で発表して放送本番前に魔族と分かると変な情報操作をしてくる人たちがいるというのとフィアメールを初めて見た人に事前の魔族の評価無しで見て欲しいという意図があった。
サタレアに関してはフィアメールのメイドという事でシルエットすら出さず、基本配信の時もフィアメールの後ろで控えて立っている感じになる予定だ。
「マリの配信が始まったのだ」
開始時間になり画面にマリが映った。
「こんばんは〜、まきなつプロダクション新人初配信リレーの一番手、Sランク探索者のマリ・カザハナです」
という言葉と共に配信が始まり、コメントには『マリ様こんばんは〜』や『楽しみにしてた』などのコメントが打ち込まれて順調に始まった。
マリの放送は大体リハーサルしていた通りに進んでいき終わりの時間になった。
最後にマリはたまにあったコメントの『最後の人って誰なの?』『シークレットって誰?』といったコメントに答えるように、
「最後のシークレットの人は私の友達なので『まきなつプロダクション新人初配信リレー』最後までよろしくね〜」
と言って三十分以内での配信が終了した。
次の出番のクラリーヌの配信待機画面を映すとマリの放送を見ていた人が移動してきてくれたようでマリの最終視聴人数と同じくらいの待機人数になっていた。
そして配信の時間になりクラリーヌの放送が開始された。




