じゃない方と伯爵(4)
今週も見に来てくださってありがとうございます!
「約束通りここだけの話にしてください、領主様」
そう言ってにっこりと笑った未亜を見ながら、領主様は頭を抱えながらはーっと長い息を吐いた。
「何が『じゃない方だ。』これだけの逸材を放り出して国は何をしている...」
ん?あれ?私の話に戻った?
「そうですよ、おやっさん。と言っても、頼まれたってあげないですからね。ミアは俺たちの仲間なんだから。」
そう言ってディオゴはぐいーと未亜の肩を抱く。
「分かっているよ。お前たちの目利きがすこぶるいいこともな。」
はぁー。ともう1度大きな息を吐いた後で
「さて、少々突飛ではあるが...」
「何が突飛だって?」
会長が話しに割って入ってきた。今、来たところらしい。
「お前のところのお嬢さんの意見なんだがな、どうやら贋金事件はサヘルが噛んでいるっぽいぞ。な?」
そうやってお茶目に領主様は未亜に視線を送る。
「どういうことだ?」
そう聞かれれば答えないわけにはいかない。未亜は今さっき領主様とディオゴに話したことを伝えた。
「な?この間の魔石取引の件もよくわからないままだしな。警戒しておいて損はない。」
ふむ。と考え込む会長を見て今更ながらに全然見当違いのことを言っていたらどうしよう?と不安が押し寄せる。
(で、でも確証はないって最初に念押ししたし...)
「ミアは、この件をどう見る?」
しばらく考え込んでいた会長は、未亜に話を振る。内心泣きそうに泣きながら未亜は、
「...そうですね...あのまずその前に、ちょっとお聞きしたいんですが、魔石ってなんのために使われる物なんですか?この商会の主要な取引している物というのは認識しているのですが...領主様もうちからよく購入していらっしゃいますよね?」
それを聞いて会長は少し意外な顔をした。
「そんなのとうにしっているものかと。ここら辺じゃ子どもでも知っているからな。」
「勉強不足ですみません。書類を追うので手一杯になっていて取引先とかの情報ばかり見ていたので、その先のことは後回しになっていて...」
「いや、こちらもきちんと説明していなかったからな。当たり前のことが当たり前ではないのだな、ミアにとっては。それは貴重な視点だ。」
そう会長がいい、その先を続けた。
「魔石はこの間の取引でも分かるように鉱山から発掘されるものなのだが、魔物を寄せ付けないという特殊な特徴があってな。そう言った意味で魔物が多い地域では魔物避けとして重宝されているのだ。もう少しいうと避けるのは魔物だけではなく魔力を持った物だな。だから魔力を持った者が犯罪を犯した後は彼らは魔石付きの拘束道具で拘束される。魔力で応戦されると構わないからな。」
なるほど。「じゃない方」の未亜にはまるで関係のない話だ。
「そしてこの町は海側は海の魔物に、北側は陸の魔物に挟まれているような形になっている。防衛と言う意味でどうしても魔石は欠かせない物なんだよ。」
そう領主様が話した。
「ここら辺を航行する船にはかなりでかい魔石を積んでいるんだ。物流を止めるわけにはいかないしな。大きめの魔石で魔物が近くに来ないようにしながら進むのがセオリーだよ。」
そうディオゴが説明を引きとって続ける。
「ではなぜ、その魔石の取引をうちの商会がおっているのでしょうか。誤解しないでくださいね。会長たちのこの商会は素晴らしい物だと思います。でも、一番大きな商会というわけではなく、どちらかといえば中堅ですよね?それほど重要なものであれば、大手が積極的に取引をしそうな物ですが...なぜですか?」
「それは魔石の特性だな。先ほど魔力を持った者の能力を封じると言ったが、そこがこの鉱物の厄介なところだ。他の材質、たとえば金や銀であれば魔法を使って見つけ出せるのだが、魔石はそうはいかない。魔力を封じるものだからだ。そのため、どんなに重要な物であっても、見つけにくいのだ。それをわざわざ探したり情報を得たりする時間が途方もなくかかる。それなら手っ取り早く別の商品の方が儲かるからな。一攫千金。当たればいいが、外れると地獄を見るのが魔石という商材だ。」
会長はとても丁寧に説明してくれる。
「なるほど。会長たちは目利きで鼻もきくのでやっていけるが、手堅い商売をしたい商会には向かないということですね。」
ふむふむ。と未亜は自分で説明された内容を咀嚼する。
「それなら、こんな仮説が当てはまるのですが、どうでしょうか?」
4月に入りましたね!1月から始めてもう3ヶ月経ちました。ここまで続けて来れたのは読んでくださる方がいらっしゃるからです!本当にありがとうございます!
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来週も水曜日の午後7時に投稿予定ですq




