真相追求 意を決して
いつ私はここまで来たのか?
フランは記憶を懸命に辿るが思い出せない。
私は確かにこの屋敷とは反対方向の町に
気分転換の旅行にいったはずだ。
久しぶりの息抜きと美味しい食事に
きれいな景色にと
至る場所でリフレッシュをしていたはず。
この屋敷に辿り着くには
少なくとも3日はかかる距離だったはず。
なのに、何故私は?
頬をつねるが痛みはあるし荷物もしっかり持っていた。靴は歩きに歩いたのかボロボロだった。
困惑している彼の前に、例の執事が現れた。
『これはこれは。フラン様ではないですか?また迷われましたか?』
そう声をかけられ私は返答に詰まる。
どう来たのか全く思い出せないのだから。
そんな私の様子など一切気に止めず、彼は再び
屋敷に案内してくれた。
それと同時にあの夢が脳裏に浮かんだ。
[もし、あれが現実ならば。私がここに導かれたのも意味があるのでは?]
私は腹を括った。
こうなったら夢の真相を探るしかない!
私は意を決して屋敷に入ることにした。
ルーベルの背中を追いかけながら
私は色々と対策を考える。
彼のこの選択が、長く繁栄をもたらした
フリードリヒ家の謎に迫ることになるとは
私は後に知ることになる。