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10話 苛立ち▽クロノス

ココ最近忙しかったのですが、やっと余裕ができました。そして来月には余裕はいなくなります。

いかないでくれ余裕!!

クロノスのキャラデザができたので載せますね。


 挿絵(By みてみん)



 クソ、クソ、クソ!

 なんなんだあのクソ女!

 俺が下手に出ていれば上から目線で……腹が立つぜ!

 クロノスは苛立った様子で廊下をズンズン歩いていく。


 あーー、こんなんならアイツの真似していい子に振る舞う必要ないじゃねぇか。

 クロノスは懐にしまっていた札を取り出して真っ二つに割った。

 札には呪いのようなものが刻まれており、単純に言うと『望む人物のような振る舞いをする呪い』がかかっていた。


 太陽神の元で働くことになった時、しばらくは大人しくしないといけないと思って昔俺の前に現れた人物の真似をすることにしたんだが、その時呪い屋にこれを作って貰ったのだ。


『これが必要なくなったときは真っ二つに割ってくださいね』


 マジですごい代物だったな。


 そんでこの前は力を取り戻してあのアマをギャフンと言わせる為に方法をカイロスに聞こうと思ったんだが、固定電話番号じゃろくに話できねぇだろ。

 俺は昔知らないやつに宝玉みたいなもので力を奪われたが、カイロスは多分力を奪われてねぇ。

 だからカイロスが頼りだった。


 それに普通死んだら冥府に行くし、カイロスが冥府に行けねぇわけないからな。

 双子の弟を心配する様子を見せれば電話番号くらいくれるだろって思ったんだが……あのアマあれだな。

 気前が良くないってやつか?

 いや性格が悪いんだ、そうだ性格が悪い!

 いやぁしっくりくる言葉だな!



「えっほ、えっほ!」


 跳ねるような声が聞こえてきて、目の前に箱が現れた。

 いや、箱を運ぶ少女だ。

 まさかのキャスターでゴロゴロと音を立てながら移動していた。

 大きなリュックサックを背負うどこにでもいそうな黒い髪色のおかっぱの少女は跳ねる度にアホ毛をぴょこぴょこと動かしている。


 少女は運び屋リェンシィ。

 その職業の通りに色々な物を運ぶ仕事をしていた。

 運ばれている箱の中には桃が大量に入っていた。

 美味しそうな桃を見たクロノスはつい癖で桃に手を伸ばした。


「あ、桃だ。貰うわ」

「ノーモーション窃盗!!!??」


 クロノスは桃を取り出すとシャクリと齧った。


「うまっ!!!」

「当たり前です!!もう……部屋に置く用なので別にいいですけど、勝手に食べるのはいけないですよ」

「もう一個貰ってくわ」

「話聞いてますーー!?」

「うまいわこれ。センキュー」


 クロノスはそう言うと桃を持ちながら手を振り、外の庭へと向かっていった。

 庭には庭師が育てて整えたであろう木や花があり、憩いの場がそこにはあった。


「よっと」


 手を洗う時の為に噴水の前に座る。

 庭はクロノスのお気に入りだった。

 何せ日向ぼっこができる。

 太陽神ぼっこしていると言うとなんか嫌だが、噴水の音を聞きながら寝るのは心地よい。


 シャクシャクと桃を食べていると、クロノスの持っている二つ折りの携帯が鳴り出した。


「なんだぁ?」

「なんだじゃないだろ、もしもしって言え。せっかく僕が折り返したのになんだその反応は」

「あ?あぐ……シャク」


 クロノスは桃を一口齧って桃が種のみになると、土の中に植えて捨てると噴水に手を突っ込んで洗う。

 手が汚れんのは嫌だしな。

 そしてもう一つの桃を小さく口に入れて食べだした。


「あ、カイロスか!?」

「そうだよ、クロノス。食べながら喋るな」

「久しぶりだなー!お前電話番号教えろよ」

「僕は携帯電話持ってないんだ」

「はぁ?……そういうことかよ」


 あの女に一杯食わされた。

 騙された、というよりまた茶化されたのだろう。

 携帯電話番号をわざと教えない様な素振りを見せていたが、実際は持っていないだけだったのだ。

 久しぶりの会話なのだからとカイロスが気にしないように明るく声を出した。


「なんかお前声低くなった?」

「成長したからな。そう言うお前は相変わらずだな」


 なんで声低くなってんだ?

 まあいいか。

 冥界ならそんなこともあんのかもな。


「それより聞いてくれよ、あのアマ……太陽神の話!もうウザくてウザくて」


 そう言うとクロノスは太陽神の自分への扱いを話しだした。

 下っ端扱いしてきて、更には先日の24時間働け宣言。

 リレへの敬語の強制はまだしも、見張れとかめんどくせぇ。


「酷いだろ!?こんなんじゃ日課もできねぇよ!

 まぁここじゃできねぇけど」

「確かに酷いな。でも……」

「でも?」


 カイロスは少し考えてクロノスに聞いた。


「クロノス、お前の日課って確か……」

「種火潰しだけど?」

「やっぱりそうか」


 何がそうかなんだ?

 種火潰しとは俺たちが元々した旧神々の今閉じ込められている場所に多数目撃された火だ。

 焚き火みたいに、あるいは鬼火みたいに道端で意味もなく燃えてるやつ。

 俺はあれを潰したり水で沈めたりするのが大好きだった。

 サトゥルヌスも『種火は見つけ次第殺せ』なんて言ってたから、いいだろって気楽に考えて。


 だって虫を潰すようなものだ。

 人を殺した訳ではなく、神を殺した訳でもなく。

 虫を潰すのにいい印象は抱かれなくても、別に殺したからと裁かれる訳では無い。

 今ではサトゥルヌスがああ言ってたからだなんてことで殺そうとしてる訳ではなく、純粋に種火が死ぬ時の『じゅう』って音が気持ちいいから殺したいんだ。


 なのに知らないやつに宝玉らしきもので俺の能力は殆ど奪われちまってめちゃくちゃ弱くなり、カイロスはサトゥルヌスに殺されて冥府に行っちまう始末。

 太陽神アマテラスが旧神々の世界に蓋をしちまうし。

 その太陽神に助けられて今では配下です、とか最悪すぎる。

 アイツにろくな写真なんてやる必要ねぇだろ。

 適当に遠くから撮ったリラの写真かリラの足元の影でも撮って送ってやろう。


 ……話が逸れたな。

 しかし種火潰しなんて昔からしてたし、カイロスも知ってるはずだが。



「太陽神が種火が集まって出来てるって話は知ってるか?」

「……え?」


 太陽神が種火で出来ている?

 太陽神が……種火で…………?

 カイロスははてなを飛ばすクロノスに説明した。


「太陽神アマテラスはな、人型になる前は種火だったらしい。自我がある種火だった個体が種火を集めて人型になり、太陽神アマテラスと名乗ったそうだ」


 オイオイオイ。待て待て待て!?

 なんか嫌な予感がするんですけど、フルスロットルなんですけど!?

 クロノスの顔は真っ白になり、どことなく脂汗が噴き出していた。

 クロノスの様子を見て申し訳なさそうな様子で、でもキッパリ「つまり」とカイロスは続ける。


「恨まれてるかもしれないぞ、お前」

「アーーービババババ!!!!」


 カイロスの突きつけた言葉にクロノスはつい叫び出した。

 まさかアイツが、信者に外面のいいアイツが俺をいびる理由ってまさか復讐なのか!?

 復讐ならもっと殺すとかになるし、それなら恨んでないのか?

 いやあの陰湿さは恨んでる。絶対恨んでる。


 待て?

 もしかしてこの太陽神にいびられる生活が続くのか!?

 い、嫌だ!これからもぐーたらしていたい!

 ぷかぷか浮かびながら果物を食っていてぇ!!


「大体俺は誰かの下につくような性分じゃねぇのに……クソっ、これもあの宝玉野郎が俺の力を奪ったせいだ!」

「それはその宝玉野郎のせいかもだけど、お前がいびられてるのはお前の自業自得だろ。

 ちゃんと反省して大人になるんだな」

「クソ……分かったよ。言われたことはやっとく。

 ストーキングすればいいんだろ、ストーキング。

 いいよ、リラのSSRショット撮ってやるよ。

 絵画みてぇなやつ撮ってやる。それでいいだろ」

「お前、断る時は断れよ……?」



 ……種火に関しては自分が悪いと思うことにしたが、でもどう考えてもあの物言いは腹立つしちょっと反抗はしておこうと思ったクロノスは、後日リラの足元の影だけを撮って太陽神に提出した。


『最高じゃぁ!!!やったーーー!!!』


 結果アイツはリラの足元の影でも興奮できることが分かった。

 ついでに言うと24時間働けというのは『毎日24時間以内にに一枚写真をすれば何もしなくていい』という意味だったらしい。


『どうせお主なにもできんじゃろ、後からそう伝えるつもりだったわ』


 いびるために必要以上に盛って伝えたそうだ。

 ところで今の俺の気持ちを、呪い屋の言っていた言葉を通して言おうと思う。


「おくたばりあそばせクソカスがァーーーッ!!」


 以上だ。



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