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第九話

「ねえねえ、小津くん。」「なんだよ。」「お前の命もあと30分で尽きる。」「は?」「どう?面白い?」「面白くねぇわ。」

※最終回です。


◇ 校長室


 数日後。俺は表彰状を受け取るために校長室にいた。本当は御厨も呼ばれていたが本人が行きたくないと言っていたので俺は一人でここにいる。校長のほかにうちの担任の先生、教頭もいる。

「小津くん、御厨くんは?」

「呼んだんですけど来ませんでした。」

「そうか…。まあいい。改めてクラスマッチ優勝、本当におめでとう。」

「ありがとうございます。」

 俺は校長から賞状を、教頭から副賞として約束していた海外旅行券をもらった。

「おめでとう。」

「ありがとうございます。」

 俺はここで一つ疑問に思っていることをいった。

「そういえば、御厨に聞いたんですけど校長と御厨の親父さんで賭けがあったんですよね。あれはどっちが勝ったんですか?」

 その時、校長室に一人の人物が入ってきた。

「その質問には私が答えよう。」

「あんたは?」

 その人物はスーツ姿にきちっとした髪型。いかにもお偉いさんというオーラが出ていた。

「私の名前は御厨みくりあ 優斗ゆうと御厨穂波ほなみの父親だ。このたびはうちの穂波がお世話になったね。小津おず海斗かいと君。」

 この人が…。御厨の親父さん。なんというかうちの父さんとすごく似ている気がする。

「ども…。僕が小津海斗です。よろしく。」

「ああ、よろしく。さて、質問の答えだが私は・・行かない・・・・。」

 な…。なんだと!?

「じゃぁ、うちのクラスに賭けたのはあなたじゃなくて校長だっていうんですか?自分の娘がいるのに?」

「ああ、私は娘を信じていないからね。というよりも信じる必要がないと感じているよ。」

 あ…あんたというひとは。やっぱりとことん似ていやがる、何から何まで。

「そうですか…。では、僕はこれで失礼します。」

「待ちたまえ。」

 御厨の親父さんが呼び止める。俺はゆっくりと振り向き言った。

「なんですか?」

「小津くん、私は君をどこかで…。」

「人違いでしょう。では…。」

 俺はなかば強引に話を切り上げて校長室を後にした。

 あんなの…。俺の父さんと比べたらましなほうだ。


◇2-4組 教室


「ただいま。」

 俺はなるべくいつも通りを装って教室に入っていった。

「お帰り、小津くん。どうだった?」

 出迎えてくれた(?)のは御厨だった。なるべくさっきのことを言わないように俺は話を進めた。

「ああ、御厨。旅行には校長が付き添うことになった。」

「そう…。やっぱりね。」

 ああ…。こいつもわかっているんだな。自分の父親に信用されていないことを。

「安心しろ。旅行には俺も行くし、みんなもいる。お前だけ寂しい思いなんかさせるかよ。」

「小津くーん!!」

 御厨はそういうと俺にしがみついてきた。

「やめろ!離れろ、御厨!」

「おっ、カップル成立か!?」

 クラスメイトが俺たちを冷やかしに来た。

「お前ら…。見てないでこいつをはがせ。」

「悪いな小津。面白いからそのままにしておくわ。」

「覚えてろよ…。」

 俺は御厨にしがみつかれながらもなんとか抵抗したが御厨の強い力には勝てなかった。

 どうして…。こんなことに。ハハハ。

 俺はなかばあきらめ状態で早く時が過ぎることだけを祈った。

「小津くーーーん!!」

「やめろーーーーー!!」


◇ その夜 小津家


「ただいま。」

 俺は家のドアを開けながらそういった。

「おかえり、今日は何かあった?」

「海外旅行のタダ券をくれた。」

「そう…。よかったわね。」

 俺の母親、小津おず 萌香ほのか。小さいころから俺を育ててくれた人。俺はこの人にすごく感謝している。

「父さんは?」

「仕事で遅れるって。」

「そっか。」

 俺の父親、小津おず つかさ。俺が転校するきっかけになった張本人。最近は仕事で忙しいのかほとんど夜中に家に帰ってくることが多い。自分優先で俺のことは正直どうでもいいと思っているのだろう。俺はそんな父親があまり好きではない。

「じゃぁ、俺は部屋にいるから何かあったら言って。」

「うん。」

 俺は制服のまま階段を上がり、自分の部屋へと向かった。

 そして、部屋に入ると制服のままベットにダイブした。

「疲れた。しかし、海外か…。まさか、優勝賞品がそんなものになっているとは思わなかったな。」

 俺は額に左手をのせ、はぁ…。と一つため息をつぶやき、制服を着替え始めた。

「しかし、俺を恨んでいる人物っていったい誰なんだろうか。俺には心当たりがないし。」

 今の俺には委員長の言葉が心の中にぐるぐると回っていた。

「ああ、くそ。もやもやしててもしょうがない。こうなりゃ当たって確かめるしかない。」

 俺は着替え終えた制服をクローゼットの中に入れると勉強をするために机に向かった。

「校長や御厨の親父さんが言っていることが正しければ、あんなもので簡単に海外旅行なんて渡すか?それに旅行券は思っていたよりも少ない。これは…何かあるな。」

 俺は学校に配られたスケジュールを見た。そして…一週間後に迫っているテストという言葉を見つけ、うなずいた。

「そういうことか。」

 俺はそういうと本格的に勉強を始めた。                 


                                          完

「ねえねえ、小津くん。」「なんだよ。」「私ってアホ?」「いや、違う。お前はバカだ。」「アホとバカの違いって何?」「さあ、ほぼ同類だと思う。ほら、マ〇ド〇ルドをマ〇ドっていうかマ〇クっていうかみたいな感じじゃないか?」「そっか!」


 この章はこれで終わりです。ついでにこの小説も終わりです。作者の暇つぶしにお付き合いいただきありがとうございました。誤字や評価、感想などお待ちしております。


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