人間を失格した科学者は羅生門で美女を創る

─遺伝子を操作し、生まれる前から全ての病気を駆逐できたら最高だろ─
今は未来。
アメリカは西海岸にある研究所『Rashomon』で、横田優人は、人体実験をしていた。量子コンピューターでDNAを解析し、万能細胞をナノサイズ3D生体プリンターで出力し、完璧なヒトを作成する研究をしていた。研究の一環で、同じシステムを使って再生医療をおこなっていた。
優人の息子、横田誠は、妹の陽子と供に、アメリカで働く父と離れ、祖父母の元、東北の田舎で育った。
誠が高校に進学する機会に、父が用意した豪邸で東京へ移り住むことになった。同じタイミングで同居することになった、家の管理人『不老のキャンディ・ハインライン』。金髪碧眼、容姿端麗、才色兼備、文武両道、白人『デザイナーベビーのミク・キャサリン・クラーク』。色白で、華奢な東洋人『臓器の大部分を再生した小松彩』。家事を執り行うメイド『アンドロイドのアン』。
この六人で新生活が始まった。